先週ご紹介した、エリーゼMk1世代のリフレッシュ整備の続報です。この写真はシャシーから取り外したサスアームの先端部分です。ウィッシュボーンアーム先端部に圧入されている、ボールジョイント部をクローズアップしてみると、可動部分の防塵のためゴム製のブーツが装着されているのですが、このように亀裂が生じてきます。
取り外したボールジョイントと新品を並べてみました。もちろんブーツの亀裂だけではなく、内部の磨耗によるガタや、動きの渋さも見受けられます。
これはサスアームとシャシーとが連結される部分に使用されているブッシュです。こちらも劣化が進行すると、サスアームとシャシーが直接擦れ合う状況になってしまうので、注意が必要な部分です。
前後のサスペンションが完全にバラバラになりました。ダンパーやブレーキローター、ハブベアリングなど、足回りには定期的な点検や交換が必要な箇所がたくさんあります。
サスアームへのボールジョイントやブッシュの圧入は、プレス機を使用して慎重に行います。エリーゼ1台に使用されているボールジョイントは、トーリンクも含めると 12箇所、ブッシュは18個になります。
サスペンションをくみ上げた後は、インナーフェンダーや周囲の部品も清掃して足回りの作業は完了です。気になるのはブッシュやボールジョイントを交換してリフレッシュした後のドライブフィールですが、「新車の時の感触が戻って来た!」というのがオーナー様の共通の声です。エリーゼのアルミ接着シャシーは、軽量で高剛性という点だけが特長ではありません。10年や20年では剛性の低下が全く感じられず、消耗品の交換だけでキレのあるハンドリングがたちまち復活してしまいます!一生でも付き合っていける、クルマ趣味の理想的なパートナーなのではないでしょうか。