大反響!BAC MONOの分析

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先週末からLOTUS練馬ウィザムカーズではBAC MONOを展示しております。おかげ様で沢山のお客様にご覧頂いておりますが、ここでMONOの『ここがスゴイ!』ポイントをご紹介したいと思います。1回目はサスペンションです。

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MONOのサスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式を採用しております。インボードマウントのダンパーをプッシュロッドで作動させるレイアウトで、まさにレーシングカーのような機構ですが、これ自体はARIELのATOMやKTMのX-BOWでも採用されており、このジャンルのクルマにとっては珍しいものではなくなってきました。しかし注目すべき『ここがスゴイ』ポイントの1番目は、ダンパーのレイアウトではなくウィッシュボーン・アームの長さです。

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自動車雑誌などで頻繁に用いられる「フォーミュラカーのような」という形容詞は、このクルマだけに使用が許されるべき、と思わせるサスアームの長さです。タイヤの接地姿勢を維持し、サスのストロークに伴うジオメトリー変化を抑える等、走行性能だけを優先して開発されたことが伺えるポイントです。当然サスペンション全体の剛性という点ではデメリットになり得るはずの構造であり、580キロの超軽量シャシーだからこそ実現できた足回りです。

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さらにリアサスペンションに目を移すと、フロント同様に最大限まで長く設計されたサスアームが、ギアボックスに直接結合されていることに気が付きます。ヒューランド製のフォーミュラ用6速シーケンシャルのギアボックスをエンジンを支えるサブフレームに結合させ、それ自体をストレスメンバーとして機能させるレイアウトは、まさに「フォーミュラカーのような」設計であり、『ここがスゴイ』ポイントの2番目に相応しいでしょう。

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独創的なボディカウルに隠されたMONOの骨格を観察すると、60~70年代のフォーミュラマシンの開発セオリーを最新の技術と素材で忠実に再現した、スポーツカーにとって理想的な設計が見えてきます。余分なことは一切考慮せず、走らせた時の楽しさだけを追求して開発されたこのMONOこそ、エンスージアストにとって究極のスポーツカーだと断言できますね。展示は週末までですので、ぜひご来店下さい。