ファクトリー便り No.80 ギアボックスOH継続中

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昨日のブログはELISE Mk1のブレーキ作業についてでしたが、今日はエキシージSのギアボックス分解整備についてご紹介致します。3.5LのV6エンジンから発生する350馬力を受け止めているギアボックスですから、サーキット走行を楽しんでいるお客様は特にそうなのですが、適切な時期に確実なメンテナンスが必要になります。
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ギアボックス内の各部品を分解して、消耗状況を確認します。
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シンクロの歯の先端の摩耗が進行しているのがわかります。さらにシフトフォークの先端部分も劣化が見られます。
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今回の作業ではシフトフォークは先端の硬度を上げた強化部品を組み込む予定です。さらにギアボックス内の各部品には、WPC処理を施工します。WPCというのは金属の表面を改質させる技術で、素材表面の硬度が上がり、表面の摩擦が減少するため部品の耐摩耗性も大きく向上します。レーシングカーだけではなく、最近は一般の自動車エンジンにも普及が進んでいます。ギアボックスの耐久性を向上させる、おすすめのモディファイです。
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ちなみにギアボックスの内部には磁石が組み込まれており、ギアボックス内で発生する鉄粉が全体に拡散し難い様になっています。単純なアイデアですが、実際にギアボックスを分解してみると磁石は黒い鉄粉に覆われており、効果は大きいようです。