今回ご紹介する作業は、エリーゼMk1のエンジンからの異音発生の修理です。
お客様からエンジンから異音がし始めたので点検してほしいというご相談があり、ご入庫頂きました。まずはヘッドを疑ったのですが、このお客様のエンジンは、タペットを油圧式からメカシムに変更してあるため、バルブクリアランスを計測してみましたが、特に問題はありませんでした。さらに広範囲に点検をするため、エンジンを分解することになりました。
お客様からのお話では、オイルのチェックランプが点灯すると同時に異音が始まったので、付近のガソリンスタンドでエンジンオイルを補充したところ、チェックランプは消えたのですが、異音は継続していたそうです。
クランクシャフトのメタルなど、エンジン内部には異音の発生源となるポイントが幾つかありますので、分解して細部まで点検した結果、やはりビッグエンドメタルのうち2番のメタルが、画像の様に摩耗していることが判明しました。一般道を走行中に発生し、すぐにオイルを補充したので最小限のダメージですみましたが、状況や走り方によっては、あやうくクランクシャフトやコンロッドまでも交換になってしまうところでしたね。
手前が新しいビッグエンドメタルです。クランクシャフト自体は、ラッピング加工をすれば継続して使用できます。しっかりクリアランスを計測し、同時にシリンダーの変形の計測なども行い、正確に組み立てていきます。これでまた安心してロータスライフを楽しめますね。