ファクトリー便り No.89  ケーターハムのサイクルフェンダー

今回は、サイクルフェンダーの違いについて紹介させていただきます。
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こちらが一般的によく見かける通常のサイクルフェンダーです。(本国ではサイクルウィングと呼ばれています)
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そしてこちらがあまり見かけない、ちょっと長いサイクルフェンダーです。注意して見てみるとわかりますが、パッと見では全然気が付かないほど自然でした。
皆さんもケーターハムを見かけたときはぜひフェンダーを観察してみてください。これら以外にも一風変わったフェンダーがあるかもしれません。
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余談ですがこちらはとても希少なアルミフェンダーです。フェンダーステーまでもアルミ製ですので、バネ下重量の軽さならほぼ負け無しかもしれません。憧れの逸品です。
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最後は車体サイズも走りも全然違うCSRのフェンダーです。形状も全然違いますね。写真では見えませんがフェンダーの上面部分には、空力を考慮してくぼみが作られています。リアサスペンションのダブルウィッシュボーン化も含め、とても特別な1台ですね。

ケーターハム クイックリリースボス取付

今回はSEVEN160にクイックリリースボスを取り付けましたので紹介させていただきます。
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今回はオプション装備であるMOMO製のステアリングからの変更ですので、ステアリングボスとステアリングシャフトのみの交換です。
純正のモトリタMk4からの変更の場合は、ステアリングも必要になります。
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純正のアルミ削りだしのボスもかっこいいですが、クイックリリースボスはさらにレーシーな印象ですね。
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クイックリリースボスにすると、脱着はワンタッチで簡単です。取り外せばこの通り、乗り降りが楽にできるスペースが確保できます。
3点止めのステアリングはラインナップも多く、色々なメーカーから出ているので、オーナーの個性を発揮できるポイントにもなりますね。
スーパーセブンは内装と外装が同じくらいよく見える車両ですので、見える部分にお客様のこだわりを取り付けてみてはいかがでしょうか。

COSWORTH BDRの分解整備

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先日まで作業が継続していたケータハムのBDRの整備をご紹介致します。コスワースが開発したBDRは、セブンの長い歴史の中でも最も人気が高いエンジンです。オーナー様は最近オイルの滲みが気になるようになってきたため、ツインカムヘッドの分解点検、ガスケットやタイミングベルトの交換などを実施することになりました。
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カムカバーを取り外すとベルト駆動のシンプルなツインカムの構造がみえてきます。さらにどんどん分解していきます。
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ツインカムヘッドを降ろしてバルブを分解し、燃焼室の状況を確認します。燃焼室やバルブ、ポートには、カーボンスラッジが付着していました。これからきれいに清掃していきます。
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こちらは燃焼室のポートを拡大したところです。やはりカーボンが溜まっています。
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こちらが清掃が完了したバルブ、もちろんステムシールの交換やバルブシートとの摺合わせも実施します。
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ポート内部も慎重にスラッジを除去、地道な手作業の連続です。
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すっかりきれいになった燃焼室、ヘッドガスケットやタイミングベルトも交換しました。これで気持よく吹け上がってくれるはずです。
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ヘッドの組付けもBDRの難作業のひとつです。カムシャフトとカムスプロケットの勘合部分にはキー溝がなく、クランクにもアイマークがないため、バルブタイミングを合わせるためには正確な計測と微妙な調整が不可欠です。ダイヤルゲージを見ながら慎重に調整を続けます。調整次第でエンジンのパフォーマンス自体が左右されてしまいますので、経験とノウハウが最も重要です。まるでメカニックの技術を試すかのような、BDRならではの作業ですね。
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無事に完成したBDR、F1で一時代を築いたDFVにも似たBDRのカムカバーがツインウェーバーと並ぶ姿は、いつ見ても絵になりますね。電子制御を寄せ付けないメカの塊りが持つ、独特の迫力があります。オイルの滲みも止まり、BDRの豪快な吹け上がりにオーナー様も大満足のご様子でした。

WPC処理のご紹介

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この写真は、エキシージSのギアのインプットシャフトです。ギアボックスのオーバーホールにあわせて、金属表面を強化するWPC処理を実施致しました。御存知の方も多いと思いますが、WPCという金属表面処理は、金属の表面に微小な粒子を高速で打ち付けることにより、金属表面全体を強化させる技術です。金属疲労に強く、磨耗し難く潤滑性能も良いため、今まではレーシングカーなどのエンジンに採用されてきた技術ですが、最近は一般のユーザーの間にも普及が進んできました。
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左側が表面処理をしていない純正部品、右側がWPC処理を実施した部品です。表面の色の変化は肉眼でもわかりますが、実際には金属の表面に微細な凹凸が形成され、摩擦抵抗が軽減します。また表面の微細な凹凸にはエンジンオイルが残留するため、油膜切れなどのトラブル防止にも効果絶大です。
特にサーキット走行などではギアにも強い負荷が掛かりますので、WPC処理が非常に有効です。もちろんサーキット以外でも、ギアボックスの耐久性が向上することのメリットは大きいと思います。そろそろギアボックスのO/Hが必要かな、とお考えのオーナー様は、同時にいかがでしょうか。詳細はウィザムカーズ・ファクトリーまで御相談下さい。
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ケータハムのコーティング

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今日はセブンのボディコーティング作業のご紹介です。コーティング作業自体はこのブログで何度かご紹介しておりますが、セブンの場合、事前の準備作業が大変です。ドアすら無い究極のオープンボディで、様々な部品がボディに取り付けられていますので、研磨作業の前に突起部分には全てマスキングが必要です。

このように室内(?)やステアリングなど全てカバーしなければいけません。
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ワイパーは取り外してウィンドスクリーン共々マスキングします。

フロントフェンダーも
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リアフェンダーも全て細かくマスキングです。
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エンジンフードに開いたルーバーのスリットも全部塞ぎます。ここまでやってようやく研磨作業を始めることができます。このルーバーの周囲やフロントサスアームの間などポリッシャーが使用できないところは、すべて手作業で磨いていきます。けっこう大変な作業ですが、徹底的に磨きこんでからコーティングすると、見違えるほどの光沢でクルマの印象がぜんぜん違ってきます。一度コーティングしておけば、ツーリングで汚れたボディも簡単にきれいにできます。たまにはボディのコーティングも如何でしょうか。詳細はウィザムカーズ・ファクトリーまでお問合わせ下さい。

ケータハム用リア・トランクキャリア製作

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ケータハムの豊富なオプション・メニューのひとつにスペアタイヤがあります。車体の一番後ろにスペアタイヤを乗せるためのラックを追加させるのですが、このラックにタイヤではなく革製のトランクを取り付けて荷物をたくさん積めるようにするアイディアは、セブンオーナーの間では、けっこう人気があります。
しかしボディ全体をポリッシュ仕上げにしている場合、トランクを積載すると、どうしてもアルミパネルにキズがついてしまいます。
そこで今回は、リアパネルに接触させることなくトランクをしっかり固定できるトランクキャリアを製作してみましたので、ご紹介致します。
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こちらがラックだけの状態です。きれいにポリッシュされたアルミパネルですから、トランクもスマートに固定したいものです。工具の使用は最小限で、簡単にキャリアを取り外すことが可能です。トランクキャリアとラックの間にはガタつきを抑えるため小さなスタンドも取付してみました。接触面にはラバーを貼ってありますので、振動も問題ありません。ここにトランクを積んでおけば、幌やドアを積載していても、旅先でお土産をたくさん積み込めます。すぐに長旅に出かけたくなりますね。
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アラゴスタサスペンションシステム・インストール

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先日のブログ(詳細はこちら)でご紹介した、ワイドトラックサスペンション用アラゴスタサスペンションシステムの取付作業が完了致しました。取付られたのは鮮やかなアラゴスタのオレンジがより一層映える漆黒のセブンです。
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今回ご用意したのはサブタンク付の2WAYアジャスタブル仕様です。バンブとリバウンドの減衰を個別に調整でき、サブタンクでより多くのオイルを確保することにより、ハイレベルなセッティングが可能になりました。
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サブタンク(画像はフロント)は調整しやすい位置に設置するため、専用のベースプレートを製作して固定しています。リアのタンクもトランク内に固定していますので、ワインディング途中の休憩ポイントなどで気軽に減衰を変更して、最適なセッティングを探すプロセスを楽しむことができます。ワイドトラックサスとアラゴスタ、最強の組合せがセブンのハンドリングを次のステージに昇華させます!ワインディングからサーキットまで、セブン冥利に尽きるモディファイですね。
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used parts info. – ブルックランズスクリーン –

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中古パーツ情報
Brooklands レーシングスクリーン+レイヨットタイプミラー+スタンション
適合車種:CATERHAM SEVEN シリーズ3シャシー
セブンをクラシックスタイルに仕立てるためには欠かせないブルックランズ・レーシングスクリーンです。シリーズ3シャシーに適合するアルミ製スタンションフレームが付属します。センターミラーとサイドミラーにはレイヨットタイプがマウントされており、よりレトロな雰囲気。ハルシオンのゴーグルがはまりそうですよね(^^  ネジやメッキ部にちょっとしたサビがみられますが、大きなキズや変形はなく程度は良好です。取付も是非ウィザムカーズにおまかせ下さい。

SOLD

取り付け工賃など、パーツについてのお問い合わせは以下のお問い合わせフォームからどうぞ。お電話・FAXでも承っております。
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ファクトリー便り No.73

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以前ブログでご紹介したSEVEN160のLSD組込ですが、作業が完了し先日オーナー様に納車させて頂きました。
SEVEN160というモデルはまるでロータスセブンのSr.2を再現したかのようなクラシックなテイストが最大の魅力であり、先日は SEVEN SPRINTという限定車まで登場しましたので、独特の雰囲気を楽しむためのモデルとお考えの方も多いと思いますが、実際に乗ってみると、歴代最軽量の車重を生かした軽快な走りを楽しめる点も重要なポイントであることがわかります。
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今年のK4GP7時間耐久でも証明済みですが、ロータスのDNAを継承するSEVEN160は、積極的に走りを楽しむための素材として十分なポテンシャルがあります。
今年は雨も暑さも格別でしたが、ようやくドライブを楽しめる季節になりました。ぜひSEVEN160の楽しさを100%ご堪能頂きたいと思います。np01

アラゴスタ サスペンションシステム for Seven250 / 270 ワイドトラック

Seven 250でツーリングからサーキットまで楽しまれているオーナーから、アラゴスタ サスペンションシステムのご注文をいただきました。
メーカーに既にデータがあるものに関しては、データを元に製作をしていただけるのですが、ワイドトラック仕様のSeven 250のサスペンションは初めてとのこと。アラゴスタの技術者の方が、製作に必要なデータの計測に来てくださいました。
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デモカーのSeven 270を使って採寸していただきます。まずはフロントサスペンションを取り外して・・・
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カラーの長さ・穴の径・ダンパーの全長などなど、各部の寸法をノギスで入念に計測し、データシートに書き込んでいきます。
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お次はリアサスペンション。担当の方が「こんな長いサスペンション初めて見ました!」とリアユニットの長さに驚いていらっしゃいました。
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スプリングコンプレッサーでコイルスプリングを圧縮し、ダンパーから取り外します。組み立てた状態では計測出来ない部分もあるため、このようにバラして寸法取りを進めて行くのです。サスペンションを車体に組み付けたら、車重を計測して作業は終了です。
さらりとご紹介いたしましたが、実際には1日近くの時間と手間を要する作業なんです。こうして愛車に合わせたサスペンションを製作していただけることを考えると、アラゴスタの価格は決して高くないと思います。
車体のクリアランスの関係でサスペンションの製作が難しい車もあるそうですが、ロータスやセブンはほぼ全ての車種が対応可能とのことです(^^  足回りのモディファイでお悩みの方は、お気軽にご相談くださいね。