2zzエンジンのチェックポイント

2004年から採用されたトヨタ製の2zzエンジンは信頼性・耐久性が高く、 ロータスのオーナー層の拡大に大きく貢献した訳ですが、初期の車両は登録からそろそろ10年ですので、いくつかメンテナンスが必要な箇所が出てきました。

wp01

この写真はエリーゼに搭載されている2zzエンジンの、プーリー部分の写真です。オルタネーターやエアコンのコンプレッサーをベルトで駆動している部分ですが、中央のプーリーがウォーターポンプです。

wp015

拡大してみると、プーリーの回転軸からエンジンの冷却水がもれて、ウォーターポンプを固定しているボルトの頭の周辺まで流れてきているのがみえます。最近整備でご入庫する2zz系のロータスに、この症状が増えてきました。どうやら数少ない2zzのウィークポイントの一つと言えそうです。

wp02

これがウォーターポンプの内部です。外側のプーリーがベルトで回転することにより、内部の9枚のブレード(インペラ)が冷却水を循環させています。エンジンの熱をラジエターに送り、エンジンのオーバーヒートを防止する重要な部品ですから、早めに交換しておきたいところですね。「最近冷却水が微妙に減ってるなぁ」という方は、ぜひご相談下さい。

ELISE-Mk1徹底整備のご紹介②消耗品交換

100_1716

先週ご紹介した、エリーゼMk1世代のリフレッシュ整備の続報です。この写真はシャシーから取り外したサスアームの先端部分です。ウィッシュボーンアーム先端部に圧入されている、ボールジョイント部をクローズアップしてみると、可動部分の防塵のためゴム製のブーツが装着されているのですが、このように亀裂が生じてきます。

100_1718

取り外したボールジョイントと新品を並べてみました。もちろんブーツの亀裂だけではなく、内部の磨耗によるガタや、動きの渋さも見受けられます。

447

これはサスアームとシャシーとが連結される部分に使用されているブッシュです。こちらも劣化が進行すると、サスアームとシャシーが直接擦れ合う状況になってしまうので、注意が必要な部分です。

P1010693

前後のサスペンションが完全にバラバラになりました。ダンパーやブレーキローター、ハブベアリングなど、足回りには定期的な点検や交換が必要な箇所がたくさんあります。

P1010700

サスアームへのボールジョイントやブッシュの圧入は、プレス機を使用して慎重に行います。エリーゼ1台に使用されているボールジョイントは、トーリンクも含めると 12箇所、ブッシュは18個になります。

333

サスペンションをくみ上げた後は、インナーフェンダーや周囲の部品も清掃して足回りの作業は完了です。気になるのはブッシュやボールジョイントを交換してリフレッシュした後のドライブフィールですが、「新車の時の感触が戻って来た!」というのがオーナー様の共通の声です。エリーゼのアルミ接着シャシーは、軽量で高剛性という点だけが特長ではありません。10年や20年では剛性の低下が全く感じられず、消耗品の交換だけでキレのあるハンドリングがたちまち復活してしまいます!一生でも付き合っていける、クルマ趣味の理想的なパートナーなのではないでしょうか。

ELISE-Mk1徹底整備のご紹介①足回りの分解

P1010633

1995年に発表されたELISE Mk1は、もうすぐ発表から20年を経過することになります。日本で元気に走っているエリーゼ達も、そろそろ集中的なメンテナンスが必要な時期に差し掛かってきました。ここではウィザムカーズ・ファクトリーで実施されている、徹底メンテナンスの内容をご紹介します。

P1010749

スポーツカー史に残る傑作といえるエリーゼの足回り。アルミ接着シャシーに結合される、ダブルウィッシュボーンのサスアームはスチール製です。初期モデルではアップライトやブレーキローターをアルミ製とするなど、軽量化は徹底されていました。
じっくり観察すると、単なる汚れだけではなく、各部の消耗も進んでいます。

100_1712

フロントの足回り。ホイールとアップライトを外したところです。汚れはもちろんですが、各部のラバーパーツに劣化が進行しています。<BR>
シャシー表面の緑色は接着剤です。後期になると接着剤の色はオレンジに変更されます。

フロントの足回り。ホイールとアップライトを外したところです。汚れはもちろんですが、各部のラバーパーツに劣化が進行しています。シャシー表面の緑色は接着剤です。後期になると接着剤の色はオレンジに変更されます。

P1010644

分解したフロントサスアーム。パーツの清掃後に可動部分の消耗部品を交換します。

P1010692

こちらはリアサスペンション。アッパーアームとロアアームの間にあるのはトーリンク・ロッド。ハブの後にあるアップライトが、アルミの押し出し材をスライスした特徴的な形状なのがわかります。
この後は、ブッシュ類やボール・ジョイントの交換作業へと進行して行きます。またここでご紹介したいと思います。

ロータスカップジャパン第2戦速報 

昨日は富士スピードウェイにてロータスカップジャパン第2戦が開催されました。

予選結果はこちら

天気は晴れ、コースコンディションはドライ、絶好のレース日和の中、決勝はスタートしました。

ロータスカップジャパン

ELISEクラスに#2・Tipoクラブウィザムレーシングから参戦のTipo佐藤考洋編集長が予3位からスタート、2-11クラスには#12・WAKO’Sクラブウィザムレーシングから参戦の佐野新世選手が予選5位からのスタートとなりました!

ELISEクラス決勝ではエキスパートクラスの#25・加藤寛規選手を先頭に、#16・秋葉有一選手と我がTipoクラブウィザムレーシングのテールtoノーズの見応えのあるバトルが繰り広げられました。
2-ELEVENクラス決勝では、クラブマンクラス#86・藤井芳樹選手が貫禄のポールtoフィニッシュ!WAKOSクラブウィザムレーシングの#12佐野新世選手も今期初参戦ながら健闘し、熱いレースとなりました!

決勝結果はこちら

当日の様子は、近日フォトライブラリにてご紹介致します。

次戦は7/20.21にツインリンクもてぎにて開催です。
次戦もクラブウィザムレーシングを応援よろしくお願いします!

FULL EXHAUST for SIGMA お急ぎ下さい

01

1.6SIGMAエンジンを搭載した、スーパーライトやロードスポーツ200用のエキゾースト・フルシステムが入荷しました。おかげさまで大変ご好評を頂き、すぐに完売となっておりましたが、ようやくの再入荷です!

02

マニフォールドからキャタライザー、サイレンサーまで全て含んだフルキットです。セブンはエンジンルームからサイレンサーの出口まで、完全に丸見えですから、形状や仕上げなどルックスも重要な要素ですが、アクセルレスポンスからサウンドメイクなど、排気系チューニングの五感で感じる部分は全てにおいてこだわりました。

03

たくさんのお問合せを頂いておりますが、何から何までハンドメイドの製品ですので、入荷数が少なく残りわずかです。チューニングをご検討のオーナー様はぜひお急ぎ下さい。

アクセルペダルの製作

01

このブログではおなじみの、ファクトリーでの溶接作業の様子です。今回製作しているのは、ケータハムCSRのアクセルペダルの拡張プレートです。

03

採寸から始まりプレートの切り出し、溶接、整形などの工程を経て、塗装して仕上げたペダルがこちらです。正面からみるとカタチがわかりにくいですが、

04

横から見るとこんなカタチです。CSRのペダルは断面がこのように円形で、意外に踏みやすいデザインです。しかし幅だけではなくホイールベースも延長されたCSRは、日本人にとってはペダル位置が遠すぎる場合があります。ちょっとした加工でドライビングの一体感をさらに向上させると、もっともっと面白いクルマに仕上がっていくのが、ケータハムの楽しさのひとつですね。もちろんロータスやジネッタにも共通の楽しさです。「もうちょっとこうしたい」というわがままは、ぜひウィザムカーズにご相談下さい!

CATERHAM EXHAUST for Sigma 2ndロッド完成!

47
発売以来大好評を頂いているウィザムカーズオリジナルのCATERHAM シグマエンジン用フルエキゾーストシステムの2ndロッドが遂に完成致しました!
今回は5セット限定 で既に2セットは売約済みとなっています。

SUPER7はデザイン上、エキゾーストパーツには拘って主張したいところですね!
オールステンレス製、サイド斜め出し、タコ足形状、スポーツキャタライザー全てが揃った1品です。次回生産予定は今のところ御座いませんので、ご希望の方は是非このチャンスをお見逃し無く!

48
4in1形状にする事で、高効率化を実現。レスポンスUPと高回転域での鋭い伸びを体感出来ます。

49
この輝きがたまりません!カメラを向けると写りこむ自分の姿。。。。この喜びはエリーゼ系には無い喜びですね(^^♪

関連記事はこちら
https://www.witham-cars.com/wp2p/?p=388

クラシック・ジネッタの納車です

sb

GW前のファクトリーでの納車はジネッタG4でした。このG4は1960年代につくられた、
オリジナル世代のG4です。今回はお客様のご要望により、ストリートユースに合わせた仕様にモディファイしてから、
納車することになりました。
GW前のファクトリーでの最後の納車はジネッタG4でした。このG4は1960年代につくられた、オリジナル世代のG4です。今回はお客様のご要望により、ストリートユースに合わせた仕様にモディファイしてから、納車することになりました。
wp
ft
sw
そのためサイドウィンドウやミラー、ワイパーアームやモーター、ウインドウ・ウォッシャーの増設など、整備作業も広範囲なものになりました。
rj
油脂類やタイヤも全て交換し、いよいよ大阪に納車です。GWの渋滞を考慮してAM3:00に出発しましたが、あいにく当日は朝から強い雨でした。しかしウィザムカーズの積載車は幌を装備していますので、荷台のジネッタが雨に濡れることはありません。順調に500kmを走行し、大阪に到着しました。
陸運局での手続きが終わる頃には雨もあがり、無事お客様にお届けすることができましたが、なんとジネッタのために新築された、こんな素晴らしいガレージが、G4を待っていてくれました!
gr
床の勾配から壁の仕上げ、照明に至るまでオーナー様のこだわりが反映された空間は、ジネッタが持つ強力な個性すらも難なく受け容れてしまいますね。どうぞ末永くジネッタをお楽しみ下さい。

究極のライトウェイトスポーツ!ROCKET納車しました

04

ロータスやケータハムに詳しい方でも、このクルマはご存じないのではないでしょうか?イギリスで1990年代に約40台程が生産された、ロケットというスポーツカーです。
実車を見た事がない方でも、このクルマの出自は聞いた事があるかもしれません。F1デザイナーとして名高いゴードン・マーレーの作品だからです。
03

ブラバム時代のファンカーなどゴードン・マーレーの経歴はここで説明するまでもありませんが、マクラーレン・ホンダ時代のMP4/4の16戦15勝という途方もない記録は、今後も破られることはないでしょう。しかし個人的には、マクラーレンのロン・デニスのような車両開発の全てを徹底的に管理するようなリーダーの元では、マーレーの才能が100%発揮されることは無かったのでは?とも思います。その後F1の開発からは退き、飼い殺しのような時代が続いたからです。
そんなマーレーが、自由気ままに開発してしまったのがロケットです。天才的デナイナーが何の制約も受けずに、ただ自分が運転して楽しめることだけを考えてデザインしたこのクルマは、まさにライトウェイトスポーツの理想が結実したカタチといえます。
02

車体の中央に座り、1万回転を超えてまだまだ回り続けるエンジンを背中に感じながらの走行感覚は、異次元そのものです。わずか350kgの車体に145馬力のパワーですから当然速い訳ですが、このクルマを前にするとスペックや速さはあまり気になりません。イギリスのスポーツカー文化が生み出した天衣無縫なその存在を、ただ楽しむだけでも十分なクルマです。

05

こちらは納車整備中の写真(ブーツ交換のためドライブシャフトを分解中)です。 ロケットのエンジンとギアボックスは日本のヤマハ製です。4輪の整備と2輪のそれが入り交じった内容は、まさにロケットならではのものです。

06

GINETTA G4が納車です

01

ウィザムカーズでは、ストアだけではなくファクトリーでも納車です。こちらはジネッタのG4です。太陽の下で見ると本当にキレイなワークス・ブルーです。オーナー様の意向で、クーペボディからレーシングスクリーンに変更し、ホワイトのストライプとゼッケンサークルでドレスアップしてみました。

02

コクピットの左右も保護する形状のワンオフのロールバーも追加して、かなりレーシーな印象ですが、キャタライザー内蔵のサイレンサーにより、エキゾーストノートは紳士的なレベルに抑えてありますので、安心してお乗り頂けると思います。

03

ファクトリーでは今日も納車整備が続いています。また納車の様子もご紹介したいと思います。