サーキット走行を終えたGINETTA G4のアフターメンテナンスを行います。
まずは足回りの点検。フロントハブベアリングの状態を見るために分解しているところです。
グリスアップで済むかと思いきや、逆さまにするとベアリングのアウターレースが落ちてくるほどグラグラになっていました。
本来アウターレースはハブ(ドライブ)フランジに圧入されており、プレス機などを使用しなければ抜けないものです。
ベアリングは鉄、フランジはアルミの鋳物製ですから、減ったり変形するとしたら、アルミ側でしょう。実際に計測してもフランジ側が広がっている状態でした。
GINETTA G4の基本設計は50年も前の物ですが、現代のタイヤのグリップ力は当時とは比べ物にならないほど進化していますし、サーキット走行では大きな負荷がかかるこの部品に劣化が見られて然りです。
ブレーキの初期のタッチに違和感がある時は疑ったほうが良いかもしれません。
ベアリングを新品にし、ハブ(ドライブ)フランジも新品に交換しました。これで次なるレースも安心してアクセルを踏んでいただけます。
もし国産の旧車などでしたら、入手困難な部品かもしれませんね。こういったパーツの入手性の良さも英国車の魅力のひとつです。
CATERHAM CSR 350 ブレーキ遮熱板製作
CATERHAM CSR350にお乗りのお客様から、「サーキットを走るとリザーバータンクからブレーキフルードが漏れてきてしまう」というご相談をいただきました。
エンジンルーム内のレイアウトを見ると、エキマニの近くにブレーキマスターシリンダー/リザーバータンクが位置しています。街乗りやツーリングでは問題がないということですので、高負荷の状態が続いた場合にエキマニの熱がリザーバータンクに伝わりフルードが膨張してしまうようです。
そこでブレーキマスターとエキマニの間に遮熱板を設置することにしました。
遮熱板は軽量な薄いアルミ板で製作します。まずは試作品を製作し、現車と合わせながら最適な形状と固定方法を検討します。
寸法が決定したら試作品を元に本製作です。既成品を取付けるのと違い、ワンオフパーツの場合は試作を繰り返すこともしばしばあります。
完成した遮熱板を仮組みしました。写真ではわかりにくいですが、マスターシリンダー下側はペダルボックスまでアルミパネルで囲っています。元々ある穴を利用し、車体側は無加工です。
最後にアルミパネルに断熱シートを貼り付け車体に取付けて完成です。万が一、遮熱板だけで十分な効果が得られなかった場合には、外気を導入するダクトを追加できるように設計しました。
これで安心してサーキット走行をお楽しみいただけると思います。
既成品では対応出来ない場合も、Witham Carsでは車両や乗り方に合わせたパーツの制作やご提案が可能です。LOTUS・CATERHAMでお困りの方は、Witham Cars FACTORYにご相談下さい。
Used Car Pick Up! -Vanden Plas Princess –
弊社のロータス・ケータハムオーナーにも人気が高く、セカンドカーとして所有されている方も多いミニ。
本日はそんなミニ(ADO15)の兄弟とも言えるバンデン・プラ プリンセス1300 をご紹介します。
ADO15の後継車であるADO16の中でも最も豪華な仕様であり、ロールスロイスやベントレー、ダイムラーの車体製作を行ってきたバンデン・プラが手がけたのがこのモデルです。
小型ながら品のあるデザインのボディと贅を尽くしたインテリアから”Baby Rolls”と呼ばれ、上流階級のセカンドカーとしても愛用されただけでなく、一流ホテルにおいてもロールスロイスと同等の扱いを受けたと言います。
メーターパネルはウォールナット。ドア内側が革張りなのはもちろん、上部にもウォールナットがあしらわれる凝りようです。
グローブボックスの蓋の内側は、ドリンクを置くことが出来るようにデザインされています。その脇に埋め込まれているのは灰皿と当時高級車向けの計器類を製造していたJAEGER製のアナログクロック。時計好きな私は、思わずJAEGERの名前に反応してしまいました(^^;
運転席と助手席のシートはリフレッシュ済み。分厚いクッションはヘタリも感じられず、座り心地も申し分ありません。
背もたれには後部座席用にウォールナットのピクニックテーブルが収納されています。
後部座席には格納式の肘掛けが。手触りや座った感触からも上質な家具を連想させる丁寧な仕事ぶりが伝わって来ます。
ショーファードリブンカーのインテリアを詰め込んだようなキャビンに座っていると、どんな家族がどのように使っていたのか、いろいろと想像が掻き立てられますよ。
愛着を持って長く付き合える1台をお探しの方は、ぜひWitham Carsさいたまへご来店下さい(^^
GW 本日よりSAITAMA店&FACTORYオープン
ELAN 納車整備も大詰めです
LOTUS ELANの納車整備もいよいよ大詰めです。
いよいよリフトに上げて、オイル交換や下回りの点検を行っております。
実に綺麗なシャーシです。打撃痕やオイルが漏れた痕跡もあまりなく、サビもほとんどみられません。ラックブーツなどのゴム類の劣化もない状態ですので、素晴らしいエランだと思います。
ドアオープナーに難があり、閉めてもラッチがかからなかったり、キーロックが回らず、ロックが出来ません。
分解し点検してみると、グリスアップだけでは直らないメカニカルな部分があります。パーツの切削やロッドの長さの調整を行うことすることでドアオープナーがスムーズに動くようになりました。写真は左のドアですが、右のドアのオープナーも同様の作業を行いましたので、どちらのドアも気持ちよく開閉が出来ます。
ELISE SPRINTが入庫しました
ELISEシリーズ最軽量にして最高峰、ELISE SPRINTがついさきほど入庫いたしました。
ご注文いただいていたお客様、たいへんお待たせいたしました。さっそく点検・整備を進めてまいりますので、納車までもう少々お待ち下さい。
乾燥重量798kg、136馬力 1.6L NAエンジン。現代では希少なピュアでストイックなライトウェイトスポーツカーです。
SPRINTのロゴがあしらわれたレースシートもカーボン製。ノーマルより6kg軽量です。
ドライカーボン製のテールゲートは思わず声が出てしまうほどの軽さ。通常のエリーゼとは異なるデザインも素晴らしいですね。
軽さを極めた車体、ショートストローク化されたシフト、極めてダイレクトなステアリング。マシンを自ら操る楽しみをご堪能いただける車です。納車まで楽しみにお待ちください!
ロータスのご試乗・お見積もり・お問い合わせは、048-423-2404までお気軽にどうぞ。
ジェントルにドライビングを楽しみたいMORGAN
本日もWitham CarsさいたまではMORGANの商談会を開催しております。朝の雨はすっかりあがり、太陽が出てきました。
弊社で御覧いただける2台のMORGANのうち、 4/4を改めてご紹介いたします。
シリーズ中、もっとも軽量でベーシックなモデルであり、世界一長い期間生産され続けている車でもある4/4。他のモデルよりも車幅の狭いナローボディは、クラシカルは雰囲気がより引き立ちます。
800kgを切る車体に100馬力超のエンジンですから、運動性能も十分にあるのですが、独特なドライビングポジションのコックピットに身体を収めて走り出してみると、ジェントルにドライビングを楽しみたくなります。積極的なアクセルワークやステアリング操作をするよりも、ゆったりとしたクルージングで流れる景色を眺めながら車との対話を楽しむようなドライビングがしっくり来る車です。
80年以上ほとんど構造が変わらない車にもかかわらず、「こんな車の楽しみ方もあるだな」と、新鮮な驚きさえ感じられました。
ぜひWitham CarsさいたまでMORGANの魅力に触れてみて下さい。
明日もMORGAN 商談会です
本日はモーガン商談会に沢山のご来店をいただき、ありがとうございます。
それまではあまり興味がなかった方でも、実車をご覧頂くと惹かれてしまう魅力がモーガンにはあるようです。コックピットに座っていただくだけで、ほとんどの方が「モーガンっていいね~!」と思わず笑顔になってしまいます。
1936年から大きく変わらないボディも、クラシカルで品のあるインテリアも、職人が手間を惜しまずに1台1台を仕上げている光景が浮かんでくるようです。
私自身、名前は知っていてもあまり興味をそそられたことはなかったモーガンですが、実車がこれほどまでに魅力的な車だとは思いませんでした(^^
明日はあいにくの天気予報ではありますが、店内でじっくりとご覧いただくにはぴったりです。
スタッフ一同、お待ちしております。
"BRITISH SPORTS CARS"
ネコ・パブリッシングのムック、「BRITISH SPORTS CARS」が発売となりました。
新旧問わず誰もが「いつかは」と思うような英国車ばかりを集め、美しい写真と共に詳細なインプレッションが綴られています。ブリティッシュ・ライトウェイトスポーツカー好きならば、ぜひ書架に加えていただきたい1冊です。
ご来店されたことのある方はお気付きだと思いますが、表紙写真は弊社工場で撮影されました。
LOTUS SEVEN Series2, GINETTA G4, LOTUS CORTINAといったWitham Carsを代表する車両の提供もさせていただきました。
実はTipoとWitham Carsの繋がりは大変長く深いもので、18年以上前、Witham Carsがオープンする前の月に広告を掲載したのがその始まりでした。今では単なる雑誌とショップの関係だけにとどまりません。
今回このようなムックに関われたことは、その繋がりがひとつの形になったようで、我々も大変嬉しく思います。
LOTUS EUROPA SPECIAL エンジン始動
EUROPA SPECIALのカムカバーが塗装からあがってきました。
結晶塗料でペイントされたカムカバーは、鮮やかな赤でありながらもヒストリックカーによく似合う重厚な風合いに仕上がっています。
リフレッシュ作業を済ませたエンジンにはオーバーホールを行ったウェーバーが装着され、あとはカムカバーを装着するばかり。
コルク製のガスケットを組付け・・・
慎重にカムカバーを乗せて、ナットを締め込んで行きます。
バッテリーを接続し、イグニッションキーを回すと数回のクランキングの後にすぐにエンジンは目覚めました。セッティングなどは残っていますが、エンジン周りの作業はひとまず完了!ここまでくればあとひと息です。