少し時間が空いてしまいましたが、今回は前回に引き続き、クラッチの取付及びエンジン搭載を紹介致します。
こちらが新品のクラッチ及び、フライホイールです。ボルト類も全てAPRの強化パーツに変更しました。
こちらはクラッチ分解時に同時に点検するクラッチレリーズ機構です。
分解してみましたが、エリーゼのクラッチと比較して部品点数がほんの少し多いですね。レリーズフォークや構成パーツにクラックや摩耗がないことを確認し、グリスアップ&組付けをしていきます。ベアリングは交換です。
エンジンブロックやトランスミッションがフォード製のため、随所に「Ford」や「FoMoCo」の文字が目に入りますが、レリーズの摺動部にも、ちゃんと小さなロゴが刻印されていました。
トランスミッションのインプットシャフトのスプライン部にもグリスアップを行い、早速エンジンを載せていきます。
エキマニガスケットも新調し、補機類の取付と油脂類を充填したら、いよいよエンジンを始動します。
左右のキャブレターの同調と、ミクスチャの調整を行い、クラッチの作動とオイルの漏れが無いか等入念にチェックしていきます。
試乗を繰り返し、再びオイル漏れチェック及び、クラッチレリーズの微調整を実施して作業は終了です。。オイル漏れも止まり、サーキット走行の準備はこれで完了しました。4月に入るとツーリングやレースなどのイベントが増えるので、やっと春が来たという気持ちになります。花粉がつらい時期でもありますが、イベントに向けて準備は怠らないようにしないといけませんね。
休日セブンツーリング(富士山ツアー)
内藤・竹内の休日ツーリング、今月は富士山周遊ルートに行ってきました。当日は天気・気温ともに最高の環境で、セブンの楽しさを徹底的に満喫できた一日でしたので、ご紹介したいと思います。
甲府南ICから精進ブルーラインを通って到着した最初の目的地は、富士五湖のひとつ本栖湖の湖畔にある絶景ポイントです。湖面に映る逆さ富士が紙幣の図柄に採用されるほどの絶景ですので、ぜひこの目で確認したかったのですが、残念ながらうわさ通りの絶景ではあるものの、逆さ富士は拝めませんでした。
しかし!周囲の看板を見てみると、逆さ富士のポイントは、正確にはこの場所ではなく中ノ倉峠という場所が正解のようです。直ぐに登山を開始したかった竹内ですが、内藤君から「無理!無理!登りは絶対無理!」 と泣きが入りましたので、やむなく断念しました。
しかし! 後日写真を確認してみると、竹内セブンのボンネットに逆さ富士を発見!今回はこれで納得することにしました。
その後は富士山麓の鳴沢氷穴や富岳風穴を見学したり、青木ヶ原樹海を30分ほど散策したり相変らずののんびりペースで進行して、ランチに突入です。
今回のランチはせっかく富士五湖エリアに来ましたので、名物ほうとうの専門店にしました。巨大水車が目印の「ほうとう小作」です。
味は文句なしに美味しく、ボリュームもあり大満足です。なかなか午後のスタートがきれません。
ようやく始まった午後の部は、御坂みちのワインディングを堪能し、峠の「天下茶屋」で早くも休憩です。
峠の頂上でのんびりと富士を眺めながら「いもだんご」をいただきました。今回は景色や食事など旅の楽しさを味わいながら、セブンの運転って本当に楽しいなぁと実感したツーリングでした。もう20年もセブンに乗っていますが、こんなに楽しめたのは久しぶりです。これからセブンの季節が始まりますから、どんどん楽しんでいこうと思います。(竹内)
FACTORY便り No.92 SEVEN 多彩なオプション
連日のようにお伝えしております、納車整備を待つCATERHAM SEVEN の数々ですが、今回は160S のオーナー様が選んだ拘りのオプション群をご紹介していきましょう。
まず見慣れない形のこの幌は、雨を避けるための通常のソフトトップではなく、強い陽射しを避けながら風通しは良くしたい時に最適のハーフフードです。これから夏にかけてはありがたいオプションですね。
でも上を塞がれると狭くて乗り降りが大変そう、と思った方も心配は無用です。この様に上面が大きく開きますので、普段と同じように乗り込んだあと、内側からファスナーで閉じることができるのです。
初めてのSEVEN オーナーにおすすめの一つがこのハーフドアです。本来はエアロスクリーンと組み合わせて使用するレーシーなアイテムですが、今回の様にツーリング・スタイルのセブンと組み合わせても重宝します。せっかくのセブンのフルオープンなコクピットですが、開放感がありすぎて緊張してしまいそうという場合も適度な安心感を提供し、フロントタイヤは跳ね上げる小石等もブロックしてくれます。
フルオープンの走行でも風の巻き込みを軽減してくれるのが、サイドウインドディフレクターです。特に高速道路走行時には付けておきたいですね。
さらに【7】の文字が縫い込まれた長~い物は、HOOD BAGです。幌を外した時に通常は畳んでトランクに入れておくのですが、貴重なセブンの積載スペースを占領してしまいます。このHOOD BAGを使うとかなりコンパクトに幌を収納することができます。トランクのスペースも確保することができますよね ♪
こんな多彩なオプションを見ていると、あれもこれも欲しくなってしまいますが、ご自身のSEVEN スタイルを想像しながらチョイスするのも楽しいひとときです。これから始まる楽しいSEVEN ライフをWitham Cars がお手伝いさせていただきますので、まずはお気軽に遊びにいらしてください。お待ちしております。
JCCAヒストリックGPに参戦!
明日4月9日は富士スピードウェイにて日本クラシックカー協会の主催による富士ジャンボリー2017が開催されます。様々なカテゴリーのレースが予定されていますが、最も注目を集めるヒストリック・グランプリに、クラブウィザム・レーシングから、2台のG4が参戦します。
ヒストリックGPはロータスやポルシェ、さらにGT40やジャガーなど60年代にサーキットを彩ったレーシングカー達が、コース上で往年の熱い走りを再現する見応えたっぷりのレースです。
すでに内藤メカニックのブログでもご紹介していますが、ウィザムカーズ・ファクトリーでは、このレースに最高のコンディションで臨むため、連日2台のジネッタの整備が続いてきました。
今回も#65のG4は弊社代表の篠原が、#66はクラブウィザム・レーシングのお客様がドライブします。コルベットやロータス、GT40等そうそうたるライバル達を迎え撃つ2台のジネッタの活躍に、ぜひご注目下さい。
FACTORY便り No.91 SEVENの秘密
今日は朝から天気が心配でしたが、午後からは予報に反して晴れています!暖かさも手伝って、絶好のSEVEN 日和と言いたいところですが、ちょっと風が強いでしょうか、各地で桜吹雪となっているようです。でもそんな桜吹雪の中を疾走するSEVEN も絵になりますね ♪
このところはCATERHAM SEVEN の話題が多いWitham Cars FACTORY ですが、気にせず本日もSEVEN の話題でいきましょう!
CATERHAM SEVEN のボディを眺めると、いくつか【7】マークが見られます。
まずノーズに光るエンブレムは、幾度かのデザインの変遷がありましたが、現行のブラックも高級感があってかっこいいですね。オーナー様は『MADE IN GREAT BRITAIN』の文字を見る度に頬が緩むことでしょう。
フロントグリルに大きく浮かび上がる【7】マークはスポーティーな印象を強調してくれています。ビッグセブングリルと呼ばれ、当初はオプションでしたが、現在は標準化されています。【7】の部分だけをボディと同色にペイントするというコーディネートも楽しみの一つです。
そしてもう一箇所、隠れた【7】マークがあるのをご存知でしょうか? SEVEN をご納車する時は、当然のことながら検査登録をしてナンバーを装着してオーナー様への納車となるのですが、その登録をする前にしか見られない場所・・・
リアのナンバーステーに【7】マークが切り抜かれているのです。ナンバー付きのSEVEN しか見たことがない方々はもちろんのこと、SEVEN のオーナー様でもこの【7】マークの存在をご存じない方も多いのではないでしょうか?
そんな遊び心を見せながら、CATERHAM では今日もSEVEN を1台1台、ハンドメイドで組み上げてくれています。オーダーされている方々はご自分のSEVEN を待ちわびる毎日だと思いますが、その分楽しみも膨らんでいくことでしょうから、今しばらくお待ち下さいませ。
CATERHAM SEVEN にご興味をお持ちの方も、今なら様々な仕様のSEVEN が見られるチャンスです!そのSEVEN 達を参考にして、ご自身のSEVEN オーダー計画を一緒に進めていきませんか?お気軽にWitham Cars FACTORY へ!お待ちしております。
SEVEN 納車整備続々進行中!
Witham Cars FACTORY では納車整備を待つCATERHAM SEVEN が続々入庫中ですが、本日はその中の1台にボディコーティングを施工中です。
今までもご紹介する度に反響をいただいておりますが、磨き上げからコーティングまで、1日1台仕上げという、緻密な作業が行われていきます。
毎回毎回、磨きに入る前の徹底されたマスキングにはプロのコダワリを感じます。同じSEVEN でも今回の車両はボディラインが入っているので、そこも気を使うポイント。1台1台微妙にやり方が変わってきます。
さて、次に納車整備を控えるSEVEN にはどんな作業が待っているのでしょうか。これからSEVEN をお考えの方も、多彩なオプションで世界に一つだけのSEVEN を一緒に作り上げていきませんか?
クラシックから最新のSEVEN まで、整備やカスタムもお気軽にWitham Cars FACTORY へご相談ください。
ケータハム近況
GINETTA G4レースシーズンに向けてメンテナンス中 part2
今回は先日紹介したジネッタのレース準備の続きです。
まずはドライサンプのサンプパンを外していきます。最近のエンジンのオイルパンは液体ガスケットを塗るだけで大丈夫ですが、ケントエンジンのオイルパンにはコルク製ガスケットが使用されています。
こちらが新品のコルク製ガスケットです。使用している間に少しづつ痩せていってしまうので、オイルがにじみ始めてしまった時にはネジを増し締めをする必要があります。この他にもロータスT/Cはカムカバーに、ケントエンジンではタペットカバーに、コルク製のガスケットが使用されています。
フライホイールの奥にあるクランクシャフトのシールキャリアを取り外していきます。クランクシャフトの右上に見えているのはジャックシャフトです。ツインカムヘッドに換装される前にはカムシャフトとして使われていたパーツですが、現時点ではこのシャフトの役目は多くてもメカニカルポンプとディストリビューター、オイルポンプの駆動のみになっています。
そして、今回のクラッチ交換の原因でもあったクランクのオイルシールです。やはりここもすんなり交換して作業終了という訳にはいきません。シールキャリアのセンター出しをしっかり行わないと、オイル漏れが再発してしまいますので、1/100mm単位で調整を繰り返し固定します。
こちらはフライホイールとリングギアです。ここもやはり最近の国産車の場合、フライホイールとリングギアがアッセンブリパーツとして供給されますので、多くてもクラッチカバー用のノックピンの圧入作業のみですが、こちらはリングギアの焼き嵌めから行わなくてはいけません。
焼き嵌めを行ってから、リングギアの周り止めの為に一手間加えます。
熱を加えすぎて歪まないようにしつつ溶接で固定します。こちらも重量バランスが崩れないように注意しながら、必要最低限の量で済ませます。
オイルパンを取り付ける前の腰下の画像です。画像だけでは50年以上も前に設計されたエンジンとは思えないですよね。このエンジンがジネッタに搭載されたのも50年近く前でしょうから、本当にすごいエンジンです。
次回はクラッチの取り付け作業をご紹介したいと思います。
GINETTA G4レースシーズンに向けてメンテナンス開始!
今回は4月から始まるレースシーズンに向けてGINETTA G4のクラッチ交換作業を行っていますので紹介します。
今回作業するのはLOTUS T/Cを搭載しているこちらの車両です。まずはクーラントを抜いてラジエーターを外していきます。
フューエルラインとキャブレター、その下にあるスターターモーターを取り外して、
オルタネーター、エキマニ、ドライサンプのオイルホースを外せば、エンジンを降ろす準備は完了です。
エンジンマウントのボルトとベルハウジングとエンジンを連結しているボルトを外したら、エンジンクレーンを使用してエンジンを降ろしていきますが、なかなか簡単には進みません。エンジンを回転させつつ、ミッションの位置を動かして、何とかエンジンの取外しが完了です。
こちらの画像はケントエンジンのエンジンブロック用に作られたスタンドです。とても丈夫なつくりで、作業用途だけでなく、エンジンを単体で飾っておくことにも使えそうです。
次回からはクラッチと、その周辺パーツの交換作業をご紹介していきたいと思います。