ファクトリー便り No.49

こんにちは!ウィザムカーズのメカニック高橋です!
今回はエアコンのメンテナンスでご入庫中のエリーゼの作業をご紹介いたします。
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症状はエアコンの風量調整がきかなくなってしまったとのこと。室内のスイッチパネル等に問題はなかったため、風量調整のメインのユニットであるレジスターの故障と判断し作業開始です!
まずはフロント周りの補機類を取り外していきます(^^
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こちらが上から覗いた様子です。仕切りを介した左側がヒーターコアやエバポレータの入ったヒーターハウジングで、右側がブロアモーターです。空きスペースが無いほど詰まっていますが、レジスターはこのヒーターハウジングのさらに下面に取り付けられているため、交換するにはこれらのユニットをすべて取り外す必要があります。
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取り外すとこのようにポッカリとスペースが、、、
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取り外したレジスターがこちらです。約15年ほど経過していますので、侵入してきた雨水や湿気によってこんなにも錆びてしまっていました。(^_^;)特にカプラーの端子部分の錆がひどいのが見て分かりますよね。
レジスターの交換後は、正常に風量調整が出来るようになりました。また新しいレジスターキットは、雨水等の影響を受けにくい場所に移設する対策がとられておりますので安心です(^^♪
毎年この季節は徐々にエアコン関係のトラブルのご相談が多くなります。気温も上がって雨も降りやすい時期を迎えますので、早め早めのメンテナンスが重要ですよ(^^)

USED CAR ピックアップ! 1700GTS

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前回はケントエンジンに注目してご紹介したケータハム・スーパーセブン1700GTSが、2回目の登場です。今回はクラムシェルフェンダーについてです。クラムシェル・ウィングとも呼ばれていますが、現在ではオプションですら選択不可能となってしまったレアなパーツです。80年代頃のセブンではかなりの確率でクラムシェル・ウィングが装備されていましたので、標準仕様だと思っている方も多いのではないでしょうか。
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実際には本国でもオプション装備だったのですが、ロータス時代のシリーズ2あたりから、かなり人気のアイテムだったようです。1959年にシリーズ1のアメリカ仕様に採用されたのが初登場です。初出がイギリスではなくアメリカ向けというのが意外ですね。
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このイエローのセブンは、ロータスのヘセル工場で開催されたヘセル40周年記念イベントに展示されていた1962年のセブン。全体的にスレンダーな印象のシリーズ2には、クラムシェルが良く似合いますね。
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イベントシーズンが始まりました

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いよいよ春のイベントシーズンが始まりました。ツーリングやモータースポーツの計画を立てている方も多いと思います。ウィザムカーズ・ファクトリーでも、イベントとに備えてのメンテナンスやレースのサポートなど、忙しくなっています。こちらの写真は富士スピードウェイで今日開催されたJCCA FUJI JANBOREE ヒストリック・グランプリの模様です。
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ヒストリックGPは、フォードGTやシェブロン、アルピーヌなど60年代のモータースポーツシーンを彩った往年のレーサー達が雌雄を決するレースで、ウィザムカーズからもジネッタG4が参戦です。豪快なエキゾースト・ノートを響かせながら疾走する姿は、まさにクルマ趣味の最高潮ですね。イベントの詳細も、後ほどご紹介致します。
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さらに4月17日は、 JAPAN LOTUS DAY も開催されます。竹内も閉店後に自分のロータスを準備中です。果たして間に合うのか!

エヴォーラの足回り

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今日のウィザムカーズ・ファクトリーはエヴォーラの整備が進んでいます。この写真はリアのクラムシェルを外したところです。エヴォーラのシャシーはリアホイールの直前でアルミシャシーが終わり、スチール製のサブフレームが連結される構造です。基本的にはエリーゼと同様の構造ですが、もちろん全てのパーツがエヴォーラのための専用設計です。400馬力を余裕をもって受け止めるこのシャシーは、モータースポーツからハイブリッドまで対応する、ロータスの将来を担うプラットフォームです。
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こちらはリアサスペンションのアッパーアーム、鍛造アルミ製の逸品です。
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こちらはエリーゼ系の足回りです。スチールのパイプにガセットを溶接しただけのシンプルなアームは、まるでクラシック・フォーミュラのようですね。単純な形状ですが、エリーゼの基本コンセプトを忠実に再現しており、これはこれで十分に魅力があります。
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こちらがエヴォーラのリア・ロアアーム。もちろん鍛造アルミ製で、非常に複雑な形状はエリーゼ系のシンプルなアームとは対照的ですね。エンジニアリングのレベルが向上していることが覗えます。
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サスアームの表面にはロータスのロゴマークが配置されています。開発陣の自信の表れでしょうか。エヴォーラのプラットフォームは今後も様々なモデルに採用されそうですね。

ファクトリー便り No.48

こんにちは!ウィザムカーズのメカニック高橋です!
今回はエリーゼ(Mk-1)にサムコ製シリコンホースキットのお取り付けをさせて頂きましたので、そちらの模様をご紹介いたします(^^)
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こちらがサムコ製シリコンホースキットの内容です。フロントのラジエターホース、ヒーターホースからエンジンルーム内のホースまで全て交換となるため、ご覧の様にかなりの部品点数となります。
シリコンホースは一般的なゴムホースよりはるかに高い耐久性を持っているため、車と長く付き合っていく上では、かなり有効なモディファイといえます。ゴムというものはどうしても年月と共に劣化してしまいますので、クーラント液が漏れてしまうトラブルに繋がる事も珍しい事ではありません。Mk-1エリーゼも個体によってはすでに20年も経過しています。ローバー世代のエリーゼにお乗りのオーナー様は要チェックポイントといえます!
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また耐久性だけではなく、エンジンルーム内のアクセントとしても非常にカッコイイ!エンジンルームが一気にレーシーな雰囲気に変わりましたね(^^)

サーキット向けモディファイも増えています

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ウィザムカーズ・ファクトリーでは今日もたくさんのお客様の納車整備や車検整備が続いていますが、この季節はサーキット走行の準備作業も増えています。今回の作業は牽引フックの取付と4点式シートベルトの追加です。牽引フックはほとんどのサーキットで装着が義務化されており、レッドのワンポイントがデザインの面でも良いアクセントになりますから、とても人気が高いアイテムです。
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ご覧のようにナンバープレートを取り付ければ、ほとんど目立たなくなりますので、あまり大げさな装備には抵抗があるオーナー様にもおススメです。今回はリアにもストラップ式の牽引フックを追加致しました。
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室内にはシートベルトバーと4点式シートベルトをを追加しました。シートベルトバーはウィザムカーズのオリジナルパーツで、最も安全性が高いロールバー直接結合式です。本国で製造されるCUP CARでも採用されている取付方法なのですが、リアのスピーカーが犠牲になってしまうをことだけが難点です。そこでウィザムカーズではスピーカーの位置をずらしてシートベルトバーと両立させるパーツを製作致しました。まるでメーカー純正仕様のような仕上がりです。ロータスデイも間近になりましたが、サーキット走行のご相談も、ぜひお気軽にどうぞ!

ケータハム車検整備も進行中です

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いよいよ春到来!暖かくなってきましたね。ウィザムカーズ・ファクトリーでは、ロータスやケータハム、ジネッタの整備が、今日も進行中です。こちらのSEVENは継続車検でのご入庫です。
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ハブベアリングやシールなど、消耗部品の交換作業を実施しています。ドディオンチューブから ハブベアリング・キャリアを外したところです。
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せっかく分解したので、潔癖症のメカニック高橋君がドディオンエンドプレートからドライブシャフト、リアキャリパーまで徹底的に清掃中です。隅々まで清掃すると、車両各部の摩耗や劣化の早期発見にもつながりますから、決して疎かにはにはできませんね。

X-BOWのソフトトップ

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現在ウィザムカーズ・ファクトリーでは、KTMのX-BOW  GTを展示中です。X-BOWの独創的なフォルム、安定感のある走りについては何度かご紹介してきました。今回のGTは大型のウィンドスクリーンとサイドスクリーン(全てガラス製)を装備した点が大きな特徴で、試乗してみるとコクピット内への風の巻き込みがほとんど無く、車内で会話を楽しみながらドライブ可能であることに気がつきました。これだけスパルタンなキャラクターですから、ウィンドスクリーーンを装備するのは邪道では?との声もよく聞きます。しかし実際に運転してみると、2名乗車で気楽にロングドライブを楽しめるという性能も、スポーツカーを選ぶ上では、かなり重要なポイントになることも事実です。動力性能は十分すぎるものが既に備わっている訳ですから、これにグランドツーリングカーとしての性能が加味されれば、例えばスーパーセブンのように仲間たちとのツーリングからサーキット走行まで1台でこなしてしまう究極のスポーツカーとして、十分に成立すると思います。
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そしてこのX-BOW GTには、簡易的なソフトトップまで、装備が可能です。カーボン調レザーの意外にしっかりした作りの幌で、一般道での走行には十分対応可能です。
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もちろん使用しない時には小さく折りたたんで車載しておけますから、旅先での急な雨には、とても心強いアイテムです。パーキング中のトノカバーとしても重宝すると思います。ツーリング派にとっても、X-BOWは無視できない存在になってきましたね。
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仕方がないことですが、幌を付けた状態での乗り降りの大変さも、スーパーセブンと同様ですね。

ファクトリー便り No.45

こんにちは!ウィザムカーズの新人メカニック高橋です!
現在続々と納車整備が行われているファクトリーですが、今回はその納車整備の中で気になったものをご紹介させていただきます♪
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今回は先日のブログでも少しだけご紹介させていただきました,こちらの「ローラーバレル スロットルボディ」についてです!現在納車整備中のKレーシングというモデルにはローラーバレル式の4連スロットルが標準装備されています。外見はゴールドアルマイトに輝くスロットルファンネルに目がいってしまいますが、実はこの中身の仕組みが一般的な方式と全く異なります。
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こちらが一般的なバタフライスロットルで、少しアクセルを踏んだ状態です。ご覧のように真ん中のシャフトを中心にスロットルプレートが回転してスロットルが開いていくのですが、、、
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このようにスロットルを全開にすると中心のシャフトが障害物となってしまうため、若干の抵抗が発生してしまいます。ローラーバレル式のスロットルは、この抵抗となってしまう部分を改善するために生み出されました。
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こちらがスロットル全閉の状態です。
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こちらがスロットルを半開にした状態です。ここまでは一般的なバタフライスロットルとさほど変わりはありません。
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写真のようにスロットルを全開にすると、バレル内に抵抗となってしまうものは一切残りません。ローラーバレルはその名の通り、ローラーのような円筒形の筒をバレル内で回転させスロットルを開閉する仕組みとなっています。よってスロットル全開時に、エンジンに対してよりダイレクトに大量の空気を送り込むことが出来るのです!
レーシングカーでしか採用されないようなパーツを惜しみなくロードカーに採用してしまうのも、ケータハムのセブンに対するこだわりの一つといえますね♪

ロケットのパーツ製作

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今日のウィザムカーズ・ファクトリーでは、昨日に続いてロケットの整備が進んでいます。この写真はロケットのノーズコーンの中です。リアと同様にサスアームの長さに目がいきますね。フロントの小さなラジエターの配置は、葉巻型のフォーミュラを見ているようです。
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その後ろでは、旋盤を使ってパーツの製作が進行中です。ロケットのような少量生産車は、パーツの入手にも難しさが伴います。当然すべての部品が海外からの取り寄せになりますから 時間もかかり、到着した部品に不足があったり使用できない場合もあったりしますから、最終的には自分たちで作るしかありません。今回もスチールの丸棒から、部品を削り出しています。
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完成した部品がこちら。リアサスのトーリンクロッドに挿入されるカラーです。こんな小さなパーツでも、1台のクルマを完成させるには絶対に不可欠なものです。クラシックな英国車を維持していくためには色々と苦労がありますが、ウィザムカーズならどんなトラブルにも解決方法をご提案できます。何でもご相談下さい。