ELISE-Mk1徹底整備のご紹介①足回りの分解

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1995年に発表されたELISE Mk1は、もうすぐ発表から20年を経過することになります。日本で元気に走っているエリーゼ達も、そろそろ集中的なメンテナンスが必要な時期に差し掛かってきました。ここではウィザムカーズ・ファクトリーで実施されている、徹底メンテナンスの内容をご紹介します。

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スポーツカー史に残る傑作といえるエリーゼの足回り。アルミ接着シャシーに結合される、ダブルウィッシュボーンのサスアームはスチール製です。初期モデルではアップライトやブレーキローターをアルミ製とするなど、軽量化は徹底されていました。
じっくり観察すると、単なる汚れだけではなく、各部の消耗も進んでいます。

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フロントの足回り。ホイールとアップライトを外したところです。汚れはもちろんですが、各部のラバーパーツに劣化が進行しています。<BR>
シャシー表面の緑色は接着剤です。後期になると接着剤の色はオレンジに変更されます。

フロントの足回り。ホイールとアップライトを外したところです。汚れはもちろんですが、各部のラバーパーツに劣化が進行しています。シャシー表面の緑色は接着剤です。後期になると接着剤の色はオレンジに変更されます。

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分解したフロントサスアーム。パーツの清掃後に可動部分の消耗部品を交換します。

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こちらはリアサスペンション。アッパーアームとロアアームの間にあるのはトーリンク・ロッド。ハブの後にあるアップライトが、アルミの押し出し材をスライスした特徴的な形状なのがわかります。
この後は、ブッシュ類やボール・ジョイントの交換作業へと進行して行きます。またここでご紹介したいと思います。

FULL EXHAUST for SIGMA お急ぎ下さい

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1.6SIGMAエンジンを搭載した、スーパーライトやロードスポーツ200用のエキゾースト・フルシステムが入荷しました。おかげさまで大変ご好評を頂き、すぐに完売となっておりましたが、ようやくの再入荷です!

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マニフォールドからキャタライザー、サイレンサーまで全て含んだフルキットです。セブンはエンジンルームからサイレンサーの出口まで、完全に丸見えですから、形状や仕上げなどルックスも重要な要素ですが、アクセルレスポンスからサウンドメイクなど、排気系チューニングの五感で感じる部分は全てにおいてこだわりました。

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たくさんのお問合せを頂いておりますが、何から何までハンドメイドの製品ですので、入荷数が少なく残りわずかです。チューニングをご検討のオーナー様はぜひお急ぎ下さい。

アクセルペダルの製作

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このブログではおなじみの、ファクトリーでの溶接作業の様子です。今回製作しているのは、ケータハムCSRのアクセルペダルの拡張プレートです。

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採寸から始まりプレートの切り出し、溶接、整形などの工程を経て、塗装して仕上げたペダルがこちらです。正面からみるとカタチがわかりにくいですが、

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横から見るとこんなカタチです。CSRのペダルは断面がこのように円形で、意外に踏みやすいデザインです。しかし幅だけではなくホイールベースも延長されたCSRは、日本人にとってはペダル位置が遠すぎる場合があります。ちょっとした加工でドライビングの一体感をさらに向上させると、もっともっと面白いクルマに仕上がっていくのが、ケータハムの楽しさのひとつですね。もちろんロータスやジネッタにも共通の楽しさです。「もうちょっとこうしたい」というわがままは、ぜひウィザムカーズにご相談下さい!

クラシック・ジネッタの納車です

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GW前のファクトリーでの納車はジネッタG4でした。このG4は1960年代につくられた、
オリジナル世代のG4です。今回はお客様のご要望により、ストリートユースに合わせた仕様にモディファイしてから、
納車することになりました。
GW前のファクトリーでの最後の納車はジネッタG4でした。このG4は1960年代につくられた、オリジナル世代のG4です。今回はお客様のご要望により、ストリートユースに合わせた仕様にモディファイしてから、納車することになりました。
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そのためサイドウィンドウやミラー、ワイパーアームやモーター、ウインドウ・ウォッシャーの増設など、整備作業も広範囲なものになりました。
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油脂類やタイヤも全て交換し、いよいよ大阪に納車です。GWの渋滞を考慮してAM3:00に出発しましたが、あいにく当日は朝から強い雨でした。しかしウィザムカーズの積載車は幌を装備していますので、荷台のジネッタが雨に濡れることはありません。順調に500kmを走行し、大阪に到着しました。
陸運局での手続きが終わる頃には雨もあがり、無事お客様にお届けすることができましたが、なんとジネッタのために新築された、こんな素晴らしいガレージが、G4を待っていてくれました!
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床の勾配から壁の仕上げ、照明に至るまでオーナー様のこだわりが反映された空間は、ジネッタが持つ強力な個性すらも難なく受け容れてしまいますね。どうぞ末永くジネッタをお楽しみ下さい。

究極のライトウェイトスポーツ!ROCKET納車しました

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ロータスやケータハムに詳しい方でも、このクルマはご存じないのではないでしょうか?イギリスで1990年代に約40台程が生産された、ロケットというスポーツカーです。
実車を見た事がない方でも、このクルマの出自は聞いた事があるかもしれません。F1デザイナーとして名高いゴードン・マーレーの作品だからです。
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ブラバム時代のファンカーなどゴードン・マーレーの経歴はここで説明するまでもありませんが、マクラーレン・ホンダ時代のMP4/4の16戦15勝という途方もない記録は、今後も破られることはないでしょう。しかし個人的には、マクラーレンのロン・デニスのような車両開発の全てを徹底的に管理するようなリーダーの元では、マーレーの才能が100%発揮されることは無かったのでは?とも思います。その後F1の開発からは退き、飼い殺しのような時代が続いたからです。
そんなマーレーが、自由気ままに開発してしまったのがロケットです。天才的デナイナーが何の制約も受けずに、ただ自分が運転して楽しめることだけを考えてデザインしたこのクルマは、まさにライトウェイトスポーツの理想が結実したカタチといえます。
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車体の中央に座り、1万回転を超えてまだまだ回り続けるエンジンを背中に感じながらの走行感覚は、異次元そのものです。わずか350kgの車体に145馬力のパワーですから当然速い訳ですが、このクルマを前にするとスペックや速さはあまり気になりません。イギリスのスポーツカー文化が生み出した天衣無縫なその存在を、ただ楽しむだけでも十分なクルマです。

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こちらは納車整備中の写真(ブーツ交換のためドライブシャフトを分解中)です。 ロケットのエンジンとギアボックスは日本のヤマハ製です。4輪の整備と2輪のそれが入り交じった内容は、まさにロケットならではのものです。

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GINETTA G4が納車です

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ウィザムカーズでは、ストアだけではなくファクトリーでも納車です。こちらはジネッタのG4です。太陽の下で見ると本当にキレイなワークス・ブルーです。オーナー様の意向で、クーペボディからレーシングスクリーンに変更し、ホワイトのストライプとゼッケンサークルでドレスアップしてみました。

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コクピットの左右も保護する形状のワンオフのロールバーも追加して、かなりレーシーな印象ですが、キャタライザー内蔵のサイレンサーにより、エキゾーストノートは紳士的なレベルに抑えてありますので、安心してお乗り頂けると思います。

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ファクトリーでは今日も納車整備が続いています。また納車の様子もご紹介したいと思います。

ジネッタのメーター交換

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ウィザムカーズ・ファクトリーで納車整備中だったG4Rですが、もうすぐ完成です。お客様のご要望により、今回も様々なモディファイを実施しましたが、今回はタコメーター交換作業のご紹介です。

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G4Rは本来STACK製の集中ディスプレイタイプのタコメーターが装備されています。速度や距離だけでなく、水温や油温、油圧、電圧からラップタイムまで計測できる多機能なメーターなのですが、今回はもう少しクラシックなメーターに交換することになりました。

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まずは何度も採寸を繰り返して、メーターを設置するためのパネルを設計します。運転中は常に目の前にあるパーツですので、パネルの形状やサイズ、メーターの配列など、かなりデザインにはこだわりました。

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アルミで製作したパネルです。きれいにヘアラインがついた金属表面はジネッタのキャラクターにはピッタリなのですが、さらにこだわって表面の質感を変えてみました。

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表面のアルマイト処理により、落ち着いた印象のつや消しブラックになりました。ペイントのブラックとは違い、金属の質感そのままで色を変えることができるのが、アルマイト処理の特長です。もちろん耐久性も優れています。

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ダッシュボードに取り付けて完成です。パネルを固定するリベットもブラックで統一してみました。クラシックな印象で同時にレーシーな雰囲気が、ジネッタのコクピットに相応しいと思います。

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今回使用したメーターはSTACKのクロノトロニック。外観は徹底してクラシックで往年のクロノメトリックあたりを彷彿とさせるのですが、中は最新です。ツーリングなどで常用する4,000回転以下では、あえて旧車のタコメーターの針の動きを再現しているのですが、4,000rpm以上のスポーツ走行時には、視認性が良いステッピング・モーターの細かな針の動き方に切り替わります。まさにジネッタのために存在しているかのようなタコメーターですね。
もちろんケータハムにも似合うと思います。詳細はウィザムカーズ・ファクトリーまでお問合せ下さい。

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サスペンション・チューニングのご紹介

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サスペンションチューニングといえばダンパーの交換が一般的です。ロータスの世界でもアラゴスタやオーリンズ、クアンタムなどが人気があります。しかし今回ご紹介するのは、ダンパー交換ではではなく、ブッシュ交換によるサスペンションチューニングです。

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ロータスのダブルウィッシュボーン式サスペンションは、サスアームの各部にブッシュが圧入されています。ブッシュはゴムやウレタンなどの柔らかい材質でできており、サスアームの動きに合わせて絶えず変形を繰り返しているので、徐々に磨耗や劣化が進行します。車検整備などで消耗したブッシュを交換している様子はこのブログでもご紹介致しましたが、 今回のご紹介する部品は、ブッシュのかわりに圧入する金属製のベアリングです。ピロボールと呼ばれることもありますね。ナイトロン社製のウィッシュボーン・インナーベアリングキットというパーツで、写真のようにスフェリカルベアリング(球面軸受け)を採用してしています。(写真の黒いゴムはダストシールです)

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上の写真がブッシュの替わりに圧入されたスフェリカルベアリングです。ブッシュのような柔らかい素材の場合、軸の回転方向だけではなくあらゆる方向に変形が生じるので、サスアームの動きに微妙なアソビが生じ、トーやキャンバーなどアライメントは常に変化しています。しかし金属製のベアリングならガタは一切無く、サスアームは設計者の意図した方向にしか動きません。サスがより正確にストロークするのでタイヤの接地性が向上し、ステアリングからのフィードバックがよりリニアなものになります。車内環境を一切考慮する必要がないレーシングカーの世界では一般的な構造なのですが、デメリットもあるので量産車に採用されることは少ないようです。ブッシュのメリットは、ゴムならではの弾性が路面から伝わってくる衝撃や振動をうまく吸収してくれる点ですが、ベアリング式ではそれが期待できないからです。しかし目的がはっきりしたスポーツカーのチューニングなら、デメリットと感じることもないと思います。
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今回の作業では更にこだわって、サスアームやトーリンク、ハブベアリングに至るまで、ブラックに塗装しました。サスアーム表面は防蝕のメッキがありますので、まずメッキを除去し下地処理を施してからの塗装です。

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ハンドリング性能はなんといってもロータスの最重要ポイントですから、徹底的にこだわりたいところです。もうすぐ完成です。オーナー様のインプレッションが待ち遠しいですね。

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カラーリングのモディファイ

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F1開幕戦でいきなりロータスが優勝しました!今年のマシンE21は期待できますね。ロータスの開幕戦勝利は1978年のアンドレッティまでさかのぼるそうですが、78年は11戦中10戦でポールポジション、ワンツーフィニッシュ3回などロータスがすごい記録を残したシーズンだったそうです。今年は78年の圧勝をぜひ再現してほしいですね。
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今年のカラーリングはJPSを連想させるブラック/ゴールド を継続しています。そういえばこのカラーリングもブラックビューティと呼ばれた78年のマシンにそっくりです。

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ロータスのワークスレーサーにもF1と同様のカラーリングが採用されていますが、エヴォーラやエリーゼ、セブンなんかもカラーリングにこだわると楽しいですね。最近もガルフカラーのセブンを納車致しましたが、レーシングカーをイメージしたものから全くオリジナルの配色まで、自由にデザインして製作できます。ぜひご相談下さい。

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DURATEC用エキゾースト開発中

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ウィザムカーズ・ファクトリーでは、ケータハム・スーパーセブンのロードスポーツ300とスーパーライトR300に対応した、フルエキゾーストシステムを開発中です。すでに1.6SIGMAエンジン用のフルセットは販売中で、大変ご好評を頂いておりますが、DURATEC用も早く欲しい!との声も多いので、急ピッチで進行中です。
ステンレスのポリッシュ仕上げで、もちろん触媒も装備します。4本のエキゾーストパイプがボディの外側で合流する、セブンならではのデザインは外せません。軽さと音、ルックスも最高のものが完成する予定です。

こちらは販売中の1.6SIGMA用。ケータハムらしいクラシックなデザインで、音量も大きすぎず大好評です。ケータハムのチューニングなら何でもご相談下さい。
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