FACTORY便り No.94 エリーゼのドライブシャフト交換

GW中はお休みを頂いておりましたが、本日からウィザムカーズは通常営業いたします。
本日はMk1世代のエリーゼのドライブシャフト交換をご紹介します。今回の車両は、走行距離が伸びてきていることと、長い間レースで使用されてきたためCVジョイントにガタが出始めてしまっていたことから、グリス交換ではなくドライブシャフトのアッセンブリ交換させていただきました。
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見た目だけではわかりませんが、アウター側のCVジョイントは、回りが渋く、ガタが出始めていました。
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こちらは右側です。今回はこちら側も新品に交換します。
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回転するドライブシャフトブーツからグリスが飛散して、サブフレームに付着していました。
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マフラーが近くを通る部分のブーツは、熱によりどうしても劣化が早くなってしまうので、こまめなチェック及び、ブーツ交換などが必要になってきます。
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ドライブシャフトを脱着しましたので、同時にデフサイド・オイルシールも新品に取り替えます。
交換後に試乗を行い、今まで出ていた異音が消えたことを確認、オイル漏れのチェックをして作業完了です。
今回は走行距離や今後のレース使用のことを考え全体交換というかたちを取りましたが、1シーズン毎にO/Hを行うとトラブルも減らせていいですね。
ローバー系のエリーゼは走行距離や時間経過を考慮すると、各所のメンテナンスやO/Hが必要な時期に差し掛かっておりますので、ぜひお気軽にご相談下さい。

エリーゼ MkⅢ スタビライザーの増設

今回はエリーゼMkⅢにスタビライザーの増設作業を実施しましたので、ご紹介します。
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今回取り付けたのはARC製のスタビライザーです。真っ白で存在感抜群ですね。
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取り付け後の画像です。リアに関しては新しく追加することになるので遮熱板等の加工が必要になってきます。
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スタビライザーはリアのアッパーアームとリンクしており、画像の青いドロップリンクの位置で効きの強弱を調節することができます。
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こちらの画像はフロントの純正スタビライザーです。
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こちらの画像がARC製のスタビライザーです。穴の位置を変えることによって効きを調整できるようになっています。
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こちらの2枚の画像はスタビライザーの太さを比べたものです。外径は塗装の厚みによっても左右されてしまいますのではっきりとは言い切れませんが、1mmほど太くなっているようです。
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こちらの二枚の画像はパイプ自体の厚みを見ています。厚みに関しては純正より薄いようです。
スタビライザーの効きは、外径や素材の厚みだけでなく、焼き入れによっても変わってきてしまうので、上記の数値はあくまで 参考値といった感じです。
エリーゼは純正サスペンションと純正スタビライザーの組み合わせがベストマッチですが、サーキットをを走る上で、サスペンションを変更して車高を下げたり、タイヤのグリップを上げていった際に、純正のスタビライザーではカバーできない領域ができてしまいます。そこで、フロントのスタビライザーを調整式に、リアにもスタビライザーを追加することで、セッティングに幅を増やし、対応させることができます。
スタビライザーは車のセッティングでいうと最後の味付けの部分にあたるようですね。気になった方は是非ウィザムカーズファクトリーまでお問い合わせください。

エリーゼMK1展示中です

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ウィザムカーズ・ファクトリーでは、現在Mk1世代のエリーゼの中古車を2台展示中です。中古車市場での流通量もずいぶん少なくなり、コンディションの良い車両を見つけるのは難しくなってきましたが、この2台は安心してお乗り頂ける、おすすめの車両です。特にボディのコンディションは特筆もので、ぜひ実車をご覧頂きたいと思います。またインテリアの使用感の少なさも2台に共通したポイントです。Mk1世代のエリーゼを探してきた方には見逃せない車両です。
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ようやく冬も終わりこれからの季節こそ、エリーゼを楽しむ最高のタイミングです。ハンドルに常に軽快感を感じながら、新緑の中を駆け抜ける楽しさは、この世代のエリーゼならではの魅力です。ぜひこの機会にMK1世代のエリーゼをご検討下さい。

エリーゼMkⅢ クラッチ交換

今回はサーキット走行中にクラッチが繋がらなくなってしまったお客様の、クラッチ交換作業を紹介いたします。
お客様からはオーバーレブ気味にシフトダウンした際に、クラッチを繋いでも車体が進まない症状が発生したとのご相談を頂きました。
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ギアボックスを下ろす前から、すでに粉状になったクラッチディスクがパラパラと落ちてくる状態でしたが、ベルハウジングを分解してみるとこんな状況でした。クラッチディスクから摩材が剥がれ落ち、鉄のプレートが露出した状態になっています。
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当店の走行会にも頻繁に参加して頂いているお客様ですので、今後のイベントでも安心して乗っていただけるよう、今回は純正の新品パーツに交換することになりました。クラッチディスクだけではなく、フライホイールとクラッチカバーも摩耗が発生してしまっていたので、同時に交換させていただきました。
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フライホイールはトルクをかけた後に角度締めをしますが、正確に締め付けるために最新の計測工具を使用します。もちろんボルトも全て新品です。
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ディスクのセンター出しをして、カバーを取り付けていきます。やはり新品パーツは安心感がありますね。
ミッションを取り付けて試乗を行い、クラッチの具合とシフトワイヤーの調整を行い作業完了です。サーキット走行は市街地走行よりも部品の消耗が速いのは事実ですが、運転の癖などにより消耗の度合いは大きく変化します。当店の走行会では、ただ速く走るだけでなく、安全に走らせる方法や、走り方を他のオーナー様と話し合う事により、楽しみながらステップアップしていくことができます。サーキット走行もぜひ気軽に体験してみましょう!

入荷速報のMk1の詳細

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先日ウィザムカーズ・ストアのブログでご紹介したエリーゼは、内外装のコンディションが最高です。MK1世代のエリーゼをお探しの方は、このアズールブルーは必見です。
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ボディがきれいなのはもちろんですが、ぜひ幌にも注目して下さい。この世代のエリーゼの場合、15~20年の時間が経過していますから、幌には多少のほつれや劣化などがあってもやむを得ないのですが、今回のエリーゼは幌まで最高のコンディションです。これまでの保管状況で差が出てくるポイントですね。
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さらに、運転席と助手席のコンディションがあまり変わらない点もポイントです。全く同じコンディションではないので、社外のバケットシート等に交換していた訳ではなく、ちゃんと使用していたのですが、それでもこれだけきれいな状態で残っているということは、もはやオーナーの愛情以外に要因は無いと思います。
右ハンドルのアズールブルーという最強の組み合わせでこれほどのコンディションのMk1は、なかなかお目にかかれません。ぜひ週末はウィザムカーズ・ファクトリーまでご来店下さい。

ファクトリー便り No.88 ステアリングラックの点検

今回は納車点検中のELISE MkⅡの整備風景を紹介します。
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こちらの車両は納車整備中にステアリングラックのガタを見つけました。バックラッシュ調整を行います。
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まずはタイロッドエンド、ステアリングシャフト、ステアリングラック本体をシャシーに固定しているボルトを外していきます。
国産車などの多くはステアリングラック をゴムブッシュを介してフレームもしくはサブフレームに固定しますが、ロータスやケーターハムはフレームにダイレクトに取り付けされていて、路面からのインフォメーションを重要視していることがうかがえます。
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ステアリングラックはギリギリまで絞りこまれたスペースに収められているので、取り外す際は知恵の輪のような難しさがあります。
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もちろんエリーゼのステアリングにパワーアシストは一切有りませんので、軽量かつシンプルですね。
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回転トルクとバックラッシュの調整を行い取り付け、ガタが消えていることを確認して作業完了です。
エリーゼ、エクシージのステアリングラックは、走行距離に比例してガタが生じる場合があります。当社では中古車を全車確認し、必要に応じて調整又は交換をしてから納車しています。

エリーゼ10周年記念モデルのご入庫

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この独特の深みのあるグレーはグラファイトグレー、2005年に発売されたエリーゼ10周年記念モデルです。グラファイトグレーとアスペンホワイトそれぞれ10台だけが販売された限定モデルでした。今回は車検でのご入庫です。
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最近は過去のモデルを懐かしむようなブログが続いていますが、この限定車が登場した時には「エリーゼも10年経ったのかぁ」と感動していたのですが、そこから更に10年経過した訳ですね。
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専用のインテリアやOZのホイールなど、特別装備が満載のモデルでした。エンジンはローバーのVVC仕様で、走行距離はまだ1万キロぐらいですが、時間が経過しておりますので、エンジンルームなど念入りに点検致します。
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そういえば、まだパワーウィンドウが未装着 の車両も多かった時代、アルミ削り出しのウィンドウ・レギュレーターが、視覚的にも軽さを演出していますね。

ファクトリー便り No.85 ELISE-Mk1の20年

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先日からMk1世代のエリーゼが、車検のため続々と入庫してきました。早速エンジンマウントやブレーキマスターシリンダなど、消耗部品の定期的な交換が始まりました。大事に乗られてきたエリーゼですから、ボディやインテリアはとてもきれいな状態ですが、さすがに足回りやエンジン等には、消耗も進行しています。この世代のエリーゼはついに20年目に突入ですから無理もないことですが、単なる消耗部品の交換だけではおさまらないケースも増えています。
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こちらのエリーゼはヘッドガスケットが抜けてしまい、冷却水とエンジンオイルが混合した状態でした。この状態はエンジンの破損につながりますので、シリンダーヘッドをおろして、ガスケットの交換を実施です。さらにMk1世代のエリーゼでは、タイミングベルトの交換も3回目や4回目だったりします。20年ってすごいですね。でもメンテナンスを怠らなければ、エリーゼはまだまだ何も心配することなく、乗り続けることができます。この世代ならではの「軽さ」という魅力は、今後も色褪せることはありませんから、ぜひ末永くエリーゼをお楽しみ頂きたいと思います。

ファクトリー便り No.84 ELISE-Mk1入庫中

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今週のウィザムカーズ・ファクトリーは、Mk1世代のエリーゼの車検整備が集中しており、様々なボディカラーのエリーゼが入庫しています。例えばこのグリーンはロータス・レーシング・グリーン・メタリックという色で、ブリティッシュ・レーシング・グリーンとは別のグリーンです。
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こちらはモナコ・ホワイト、ペイントコードが01番なので、もっとも古くから設定されているカラーでしょうか。
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こちらはノーフォーク・マスタード、ソリッドのイエローですね。
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一番複雑なのがシルバー系です。この車両はクイックシルバー・メタリックという色ですが、これ以外にもシルバー・フロストやアルミニウム、サターン・シルバーやニュー・アルミニウムなどが設定されていました。 クイックシルバーは135SPORTという希少なモデルの専用カラーです。
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どのエリーゼもとても大切に保管されてきましたので、約20年が経過した現在でも、ボディは鮮やかな色合いを保っています。しかし、機関の各部は時間と共に徐々に劣化も進行しており、入念なメンテナンスも必要になってきました。最後の写真は、クラッチのレリーズシリンダーというパーツですが、最近ご入庫のELISE Mk1ではクラッチやブレーキなど油圧シリンダーの劣化が顕著になってきており、単なるオーバーホールでは復旧できないケースも増えてきました。クルマの基本性能の維持には欠かせないポイントですので、ぜひ早めのメンテナンスをおすすめします。

ファクトリー便り No.82 ELISE Mk2 Roverの整備

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現在ウィザムカーズ・ファクトリーでは、Mk2世代初期のエリーゼの整備が進行中です。この頃のエリーゼの最大の特長は、エンジンがトヨタ製ではなく、ローバー製の18Kを搭載していた点です。ローバーエンジンを搭載したエリーゼは2000年から2007年頃まで生産されており、その魅力は何といっても軽さにあります。ちょうど日本への正規輸入が再開されたタイミングでしたので、ご記憶の方も多いと思います。
当時はMGFやケータハム、アリエル・アトムなど英国製のスポーツカーは、こぞってローバーのKシリーズを搭載していました。シンプルで軽量なローバーKはライトウェイトスポーツのエンジンにはうってつけであり、ロータスがエリーゼに採用したのも、ごく自然な選択だったと思います。
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マスターバックが無いブレーキやエアバッグが装備されないコクピット等、現行のエリーゼとの違いは何点かありますが、最大の違いはやはり「軽さ」です。クラッチやブレーキ、ステアリングなど、色々なところから伝わってくる「軽さ」は、エリーゼに慣れていない方でも乗り比べればすぐに感じ取れるほどです。軽さにこだわってエリーゼをご検討の方は、Mk1やMk2世代のローバーエンジンモデルも、視野に入れてみてはいかがでしょうか。目からウロコかもしれませんよ!