ファクトリー便り No.88 ステアリングラックの点検

今回は納車点検中のELISE MkⅡの整備風景を紹介します。
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こちらの車両は納車整備中にステアリングラックのガタを見つけました。バックラッシュ調整を行います。
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まずはタイロッドエンド、ステアリングシャフト、ステアリングラック本体をシャシーに固定しているボルトを外していきます。
国産車などの多くはステアリングラック をゴムブッシュを介してフレームもしくはサブフレームに固定しますが、ロータスやケーターハムはフレームにダイレクトに取り付けされていて、路面からのインフォメーションを重要視していることがうかがえます。
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ステアリングラックはギリギリまで絞りこまれたスペースに収められているので、取り外す際は知恵の輪のような難しさがあります。
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もちろんエリーゼのステアリングにパワーアシストは一切有りませんので、軽量かつシンプルですね。
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回転トルクとバックラッシュの調整を行い取り付け、ガタが消えていることを確認して作業完了です。
エリーゼ、エクシージのステアリングラックは、走行距離に比例してガタが生じる場合があります。当社では中古車を全車確認し、必要に応じて調整又は交換をしてから納車しています。

エリーゼ10周年記念モデルのご入庫

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この独特の深みのあるグレーはグラファイトグレー、2005年に発売されたエリーゼ10周年記念モデルです。グラファイトグレーとアスペンホワイトそれぞれ10台だけが販売された限定モデルでした。今回は車検でのご入庫です。
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最近は過去のモデルを懐かしむようなブログが続いていますが、この限定車が登場した時には「エリーゼも10年経ったのかぁ」と感動していたのですが、そこから更に10年経過した訳ですね。
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専用のインテリアやOZのホイールなど、特別装備が満載のモデルでした。エンジンはローバーのVVC仕様で、走行距離はまだ1万キロぐらいですが、時間が経過しておりますので、エンジンルームなど念入りに点検致します。
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そういえば、まだパワーウィンドウが未装着 の車両も多かった時代、アルミ削り出しのウィンドウ・レギュレーターが、視覚的にも軽さを演出していますね。

ファクトリー便り No.85 ELISE-Mk1の20年

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先日からMk1世代のエリーゼが、車検のため続々と入庫してきました。早速エンジンマウントやブレーキマスターシリンダなど、消耗部品の定期的な交換が始まりました。大事に乗られてきたエリーゼですから、ボディやインテリアはとてもきれいな状態ですが、さすがに足回りやエンジン等には、消耗も進行しています。この世代のエリーゼはついに20年目に突入ですから無理もないことですが、単なる消耗部品の交換だけではおさまらないケースも増えています。
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こちらのエリーゼはヘッドガスケットが抜けてしまい、冷却水とエンジンオイルが混合した状態でした。この状態はエンジンの破損につながりますので、シリンダーヘッドをおろして、ガスケットの交換を実施です。さらにMk1世代のエリーゼでは、タイミングベルトの交換も3回目や4回目だったりします。20年ってすごいですね。でもメンテナンスを怠らなければ、エリーゼはまだまだ何も心配することなく、乗り続けることができます。この世代ならではの「軽さ」という魅力は、今後も色褪せることはありませんから、ぜひ末永くエリーゼをお楽しみ頂きたいと思います。

ファクトリー便り No.84 ELISE-Mk1入庫中

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今週のウィザムカーズ・ファクトリーは、Mk1世代のエリーゼの車検整備が集中しており、様々なボディカラーのエリーゼが入庫しています。例えばこのグリーンはロータス・レーシング・グリーン・メタリックという色で、ブリティッシュ・レーシング・グリーンとは別のグリーンです。
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こちらはモナコ・ホワイト、ペイントコードが01番なので、もっとも古くから設定されているカラーでしょうか。
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こちらはノーフォーク・マスタード、ソリッドのイエローですね。
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一番複雑なのがシルバー系です。この車両はクイックシルバー・メタリックという色ですが、これ以外にもシルバー・フロストやアルミニウム、サターン・シルバーやニュー・アルミニウムなどが設定されていました。 クイックシルバーは135SPORTという希少なモデルの専用カラーです。
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どのエリーゼもとても大切に保管されてきましたので、約20年が経過した現在でも、ボディは鮮やかな色合いを保っています。しかし、機関の各部は時間と共に徐々に劣化も進行しており、入念なメンテナンスも必要になってきました。最後の写真は、クラッチのレリーズシリンダーというパーツですが、最近ご入庫のELISE Mk1ではクラッチやブレーキなど油圧シリンダーの劣化が顕著になってきており、単なるオーバーホールでは復旧できないケースも増えてきました。クルマの基本性能の維持には欠かせないポイントですので、ぜひ早めのメンテナンスをおすすめします。

ファクトリー便り No.82 ELISE Mk2 Roverの整備

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現在ウィザムカーズ・ファクトリーでは、Mk2世代初期のエリーゼの整備が進行中です。この頃のエリーゼの最大の特長は、エンジンがトヨタ製ではなく、ローバー製の18Kを搭載していた点です。ローバーエンジンを搭載したエリーゼは2000年から2007年頃まで生産されており、その魅力は何といっても軽さにあります。ちょうど日本への正規輸入が再開されたタイミングでしたので、ご記憶の方も多いと思います。
当時はMGFやケータハム、アリエル・アトムなど英国製のスポーツカーは、こぞってローバーのKシリーズを搭載していました。シンプルで軽量なローバーKはライトウェイトスポーツのエンジンにはうってつけであり、ロータスがエリーゼに採用したのも、ごく自然な選択だったと思います。
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マスターバックが無いブレーキやエアバッグが装備されないコクピット等、現行のエリーゼとの違いは何点かありますが、最大の違いはやはり「軽さ」です。クラッチやブレーキ、ステアリングなど、色々なところから伝わってくる「軽さ」は、エリーゼに慣れていない方でも乗り比べればすぐに感じ取れるほどです。軽さにこだわってエリーゼをご検討の方は、Mk1やMk2世代のローバーエンジンモデルも、視野に入れてみてはいかがでしょうか。目からウロコかもしれませんよ!

ファクトリー便り No.79 エリーゼMk1車検整備

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今日もウィザムカーズ・ファクトリーではエリーゼの車検整備を作業中です。Mk1世代のエリーゼともなると、整備項目はかなり多くなります。油脂類の交換はもちろん、ブレーキマスターシリンダーやブレーキホースの交換、ラジエターホースの交換、バッテリーやタイヤなど、今回もたくさんの整備を実施させて頂きました。
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例えばブレーキローターも、今回の作業で交換しました。Mk1世代のエリーゼは、ブレーキローターの素材もアルミとスチールの2種類の設定があり、当然ブレーキパッドも別々のものになります。今回はスチール製でした。
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ローターの表面をよくみると、ブレーキパッドとの摩擦面だけが磨り減って、段差ができています。3万キロ程度走行したら、一度点検してみましょう。
余談ですが、MK1世代のエリーゼは、ホイールのPCDも95.25mmという英国車ならではの数値です。Mk2以降は一般的な100mmになります。
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こちらが交換済みの新しいローターです。エリーゼはブレーキの鳴きが気になることがありますので、ブレーキグリスを塗布します。さらにブレーキパッドの面取りをして完了です。エリーゼ用のブレーキローターには、純正タイプからドリルドタイプまで色々あります。またブレーキホースがゴム製の場合は、ステンメッシュのタイプに交換すると、ブレーキペダルの感触がダイレクトなものに変わりますので、こちらもおすすめです。

怒涛の納車ラッシュ

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今週のウィザムカーズ・ファクトリーは納車の連続でした。しかもすべて関東圏以外のエリアです。ウィザムカーズの積載車が大活躍の1週間でした。
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まずはエリーゼSCのキャニオンレッド、この車両は静岡県の富士市に納車させて頂きました。陸運局は沼津です。
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翌日は大阪陸運局(寝屋川市で、ケータハムのSEVEN270の登録と納車です。年末ということもあり、陸運局は大混雑の状況でした。
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さらに昨日は名古屋のお客様に、エリーゼMk1を納車致しました。ガレージでエリーゼを待っていたのは、エリートとエランの組合せ。しかもエランはBRM、これまでの疲れも吹っ飛んでしまうほどの驚きでした。
今回の3日間の走行距離の合計は2000kmを超えました。これからも日本全国に納車致しますので、遠方の方もぜひお気軽にご相談下さい。

ファクトリー便り No.78

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本日は内藤メカニックが主人公?ではありません(笑)
フロントの小林がエリーゼのLSD装着をお伝えしようと思います。最近は立て続けにセブンのLSD作業を実施しましたが、もちろんエリーゼのお客様からもLSDのご相談は頻繁にございます。
まずは車輌からギアボックスを降ろしている写真です。この作業の前に、アンダーパネル、サスアーム、ドライブシャフトなどを既に取り外しております。もちろんミッションオイルも抜いておきます。
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これが車体から降ろした6速ギアボックスです。手前下の部分にデファレンシャルが入っていますので、上から順番に分解していきます。
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これは特殊工具を使って、5速ギヤと6速ギヤを外している所です。まず5速と6速ギヤを外し、順番に分解していきます。
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トップケース、5速6速ギヤ、センターケースと外していくと、1~4速ギヤが出てきました。これも順番通りに外していきます。手前に見える一番大きいギヤがデファレンシャルのリングギヤです。
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取り外したギヤを並べてみました。なんか壮観じゃないですか?私はこの写真、結構好きです(笑)
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ノーマルデファレンシャルから外周のリングギヤを取り外します。内部に見えるのが、デファレンシャルのサイドギヤやピニオンギヤです。
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そしてこちらが今回組み込むLSDです。先ほどのノーマルデファレンシャルと違って、中身が見えにくいのですが、よく見ると上のほうに湿式クラッチが見えています。このクラッチが作動することにより、差動制限が掛かる仕組みです。
このLSDに先ほど取り外したリングギヤを取り付けします。
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LSDにリングギヤを取り付けた物と外したノーマルデファレンシャルです。ここまで来れば、逆の手順で組み付けるだけです。言葉で言うと一言ですけど、外すより組み付けのほうが大変なんですけどね(笑)
LSDの効果については今更ご説明は不要かも知れませんが、コーナリングの最中にアクセル踏んでも、ガンガン加速するようになりますから、オーナー様も楽しみにしているようでした。
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ギアボックスを車輌に乗せたら、足回りなどを組み付けて、試運転の後に納車となります。慣らしが終わるまでは、安全運転でお願いしますね。

ファクトリー便り No.76

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今日のファクトリーでは車検でご入庫のエリーゼの、ウォーターホース交換が行われております。新たに組み込まれるのは、シリコン製の強化型ホースキットです。このエリーゼは1999年式の50thアニバーサリーモデルですので、登録からすでに17年が経過しており、ゴム製のホースを全てシリコン製に交換します。
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シリコンホースの耐久性の高さはこのブログでも以前ご紹介致しましたが、専用設計ですから分岐が多い箇所もスマートに収まるのがうれしいですね。エンジンルームのドレスアップ効果も期待できます。
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ちなみにラジエターはフロントに配置されていますから、配管はエンジンルームからシャシーのサイドレールを通ってラジエターに向かいます。上の写真はエンジンルームからサイドレールに入るところです。90度に曲がる部分のホースも、シリコン製に交換します。
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サイドレールを通ってきたパイプは、左フロントホイール付近から、ラジエターに接続されます。もちろんここもシリコン製になります。ちゃんと純正と同様にエア抜きのバルブも設置されています。
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こちらは反対側の右フロントのタイヤハウス内です。ここから再びサイドレールを通って、エンジンルームに戻ります。図解すると下記の様になります。
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水温が上昇しサーモスタッドが開くと、ラジエターに向かって冷却水が流れるようになり、コクピットの周囲をぐるっと循環する構造になっています。
ウォーターホースキットは、エリーゼの各世代毎の専用設計なのですが、Mk1世代のキットは徐々に品薄になっていますので、お考え中のお客様は、ぜひお早めにご相談下さい。

エリーゼmk1タイミングベルト交換

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新人フロントマン小林が初めてのブログをupします!これからよろしくお願いします
写真などが未熟な点は来店時に突っ込んで下さいね
今日のファクトリーでは、中古車の納車整備でタイミングベルトの交換をしています。
車輌はロータス エリーゼmk1 エンジンはローバーの18Kです。
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この写真は、タイミングベルトを外してる状態です。
タイミングベルトの輪の中にエンジンマウントが通ってますので、
エンジンを吊って、エンジンマウントを一旦外してから、タイミングベルトを抜きます。
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外したタイミングベルトです。細かいクラックが見受けられます。
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そして、こちらが新品のタイミングベルトです。
当然ですが、クラックなど一切見当たりません
タイミングベルト交換の重要性は皆様御存知だと思いますが、気になるオーナー様は、ぜひ小林まで御相談下さい。