ELISE-R ブレーキマスターシリンダー交換

今回はエリーゼのブレーキマスターシリンダーの交換を紹介させていただきます。
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最近は1zzや2zzなどトヨタ製エンジン世代のエリーゼの、ブレーキマスターシリンダーの交換作業が増えてきました。ブレーキマスターシリンダーが劣化してくると、ブレーキペダルを踏み込んでもキャリパーに油圧が伝わりにくくなり、ブレーキの効きが曖昧になってきます。しかしこの症状は徐々に進行していくので、オーナー様はなかなか気がつかず、他のエリーゼと乗り比べて初めて「あれっ」と感じることが多いようです。
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上が新品のマスターシリンダー、下が取り外したマスターシリンダーです(色の違いは部品の供給時期による差です)。シリンダー内部のOリングなどのシーリングが劣化し、油圧が逃げてしまうことが、ブレーキ性能が低下することの原因です。
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同様の症状でもエキシージの場合は交換の際にフロントクラムシェルの脱着が必須ですが、エリーゼはフロントアクセスパネルを取り外すだけで交換作業が可能です。
トヨタエンジン世代のエリーゼ、エキシージでも、10年以上経過してきている車両が多くなってきています。マスターシリンダーの劣化は、走行距離ではなく年数や使用状況によって状態が様々ですので、ブレーキの踏み応えやペダルのストローク量などに違和感を感じている方は、早めの点検・交換をおすすめします。

ロータスツインカム エンジンO/H Part2

以前紹介したLOTUS T/Cのオーバーホール作業の続きをご紹介します。今回は、そもそも作業を開始する理由となった、ジャックシャフトの交換作業を紹介させていただきます。
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上の画像のスプロケットがついている部分に、ジャックシャフトが挿入されています。
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スプロケットを外してシャフトを抜き出します。中央に見えているのが、欠けてしまったギア部分です。
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下が取外したシャフト、上が今回取り付けるシャフトです。OHVからDOHCに動弁機構が変更されているため、このカムシャフトにはバルブを開閉させる役目は無く、デスビやオイルポンプを駆動させるためだけに存在しています。ですので新しいシャフトでは、フリクションロスを減らすため必要のない部分は切断してあります。さらに徹底させて、シャフトにあるカム山も削り落としてしまう場合もありますが、今回はカム山の加工までは行っていません。
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シャフトのメタルも新品に打ち替えて取り付けました。スラスト方向のクリアランスの測定を行い、問題がないようなのでスプロケットも取り付けます。
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ジャックシャフトを駆動しているスプロケットにも歪みがあり、クランクシャフトのスプロケットとの位置関係が大きくずれてしまっていたので、念のため新品に交換しました。
このエンジンの作業はまだ継続中ですので、次回ドライサンプ用のオイルポンプの点検作業と、ウォーターポンプの交換を紹介したいと思います。

FACTORY便り No.108 車検整備続々ご入庫

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先週末もウィザムカーズ・ファクトリーにはたくさんの車検整備のご入庫がありました。例えばこちらのエヴォーラは、もう3回目の車検ですが、走行距離も短く、非常に良いコンディションに保たれています。
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こちらのジネッタG4も、定期的な整備を続けてきましたので、素晴らしいコンディションです。オーナー様の情熱を感じさせる一台ですね。今回もブレーキのOHなどしっかり整備する予定です。
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こちらのエキシージは、オイルホースのメンテナンスでご入庫です。
さらにエキシージSやエリーゼの作業も進行中ですので、これからブログで色々とご紹介したいと思います。

GINETTA G12 納車整備 Part.3

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ジネッタG12の納車整備ご紹介パート3です。大変コンディションの良い車両ですが、時間の経過がかなりありますので、車両の細部に至るまでじっくりと点検整備を進めています。
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例えばキャブレターやブレーキのマスターシリンダ、クラッチのマスターシリンダの分解整備など、納車整備に不可欠な項目も全て実施していますが、個体それぞれの状況に合わせて、特に徹底的な整備を実施します。
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今回はラジエターパイプやヒーターなど冷却水が回る個所に、かなり時間をかけています。ラジエターのヘッダータンクはホース挿入部がかなり腐食していましたので、アルミパイプを溶接し直しました。
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こちらはヒーターホース交換のため、燃料タンクを降ろしたところです。燃料計のセンダー等も同時に点検します。
さらに排気系や駆動系の点検整備も進んでおりますので、またご紹介致します。
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ロータスエラン Sr.2 クランクシャフト・オイルシール交換 Part1

今回はロータスエラン Sr.2のクランクシャフトシール交換作業を紹介させていただきます。
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エランの排気管は、同じエンジンが積まれていた同世代のセブンやジネッタとは違い、エンジンの下をエキマニと中間パイプが通過するレイアウトになっています。そのためオイル漏れが発生すると排気管にオイルが付着してしまうので、白煙が出たり、ひどい場合には車両火災の原因となってしまいます。
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この車両も排気管にオイルが付着して焼き付いています。このままだと危険ですので、オイル漏れの原因であるクランクシールの交換を行います。
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早速エンジンを降ろしていきます。エンジンフードを取り外せば開口も大きく作業性は良好そうに見えますが、エキマニ等の取り外しは、エンジンをクレーンで吊りながら行わなくてはいけないため、なかなか大変です。
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降ろしたエンジンのリアクランクオイルシール部です。オイルパンにかなりの量のオイルが垂れてきています。
次回はオイルシールの交換作業を、詳しく紹介していこうと思います。

SEVEN 1600GTS リアAアームブッシュ交換

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今回はSEVEN 1600GTSのリアAアームブッシュの交換を、紹介させて頂きます。
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こちらの車両は、走行中のデファレンシャル付近からの異音が気になるということでのご入庫でした。
リアサスペンションはライブアクスルのタイプで、中央のデフケース直下に、ホーシングとAア-ムの連結部分があります。Aアームはホーシングの左右位置を固定しています。リアサスが上下にストロークすると、連結部分のゴムブッシュにねじれが生じるため、消耗が早く進行するポイントです。
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加速やブレーキング時にカツカツとやや大きめの金属音が聞こえましたので、早速点検してみると、Aアームのブッシュが完全に摩耗してしまい、アームとアクスルの間に大きな隙間ができていました。こうなるとブッシュの交換が必要です。
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上のカラーだけ残っているのが取り外したブッシュ、下が新品です。
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新品を組付けて再度異音チェックを行います。
CLASSICなどライブアクスルタイプのリアサスは、デフがシャシーに固定されているド・ティオンタイプよりも、Aアームのブッシュにかかる負荷が大きいので、定期的な点検、交換をおすすめしております。リアサスペンションのかなめの部分でもありますので、ブッシュを新品に打ち換えることで、しなやかな乗り味を取り戻すことができます。気になった方はぜひウィザムカーズファクトリーまでご相談ください。

ELISE Mk1の消耗部品交換

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車検でご入庫中だったMk1世代のエリーゼですが、今回も消耗部品の交換作業が何点か発生しました。この世代のエリーゼはデビューから20年になりますので、2巡目3巡目の部品交換も必要になってきています。いくつかご紹介しましょう。
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まずはタイミングベルトです。エリーゼはミッドシップというレイアウトのため、エンジンルーム内の温度が上がりやすい傾向にあります。そのためタイミングベルトは早めの交換をおすすめしております。エンジン自体の脱着は必要ありませんので、そんなに大掛かりな作業にはなりません。オルタネータのドライブベルトや、エンジンマウントの同時交換もおすすめです。
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左側の細長いゴムはサイレンサーマウントです。やはり熱に晒されやすい場所なので、どうしても劣化が早く、今回も写真のように亀裂が発生していました。
右側の丸いゴムは、クラッチのレリーズ・シリンダの補修部品です。Mk1世代のエリーゼは、夏の暑い時期になると、ギアが入り難くなる場合があります。原因の一つが、クラッチのマスターシリンダやレリーズシリンダの劣化です。定期的なオーバーホールで予防することが可能です。
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こちらはリアサスのトーリンクロッドのボールジョイントです。ゴム製のダストカバーに亀裂が発生し、グリスが漏れてしまっていました。スムーズに動かない状態でしたので、すべて交換です。
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こちらはエアクリーナーボックスに外気を導入するためのホースです。劣化しやすい部品のひとつです。今回はゴム・樹脂系の部品が多くなりましたが、IACバルブや水温センサーなど、電気系にもいくつか消耗ポイントがありますので、またご紹介したいと思います。
エリーゼまだまだ部品の供給は大丈夫ですので、しっかりメンテナンスをしてエリーゼの軽快な走りをじっくり体感して頂きたいですね。

GINETTA G12 納車整備 Part.2

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G12の納車整備も継続中です。ボディやシャシーは最高のコンディションなのですが、時間の経過による各部の劣化をリフレッシュする作業が進んでいます。ys60
例えば足回りのブッシュには交換が必要な個所がありました。またラジエターホースやヒーターホースも整備が必要です。ヒーターユニットも分解・清掃を進めています。
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中央の黒い箱はECMのモジュールです。純正の状態ではエンジンルームの床にマジックテープで固定されているのですが、振動や湿気などの影響が心配ですので、専用トレーを製作してみました。
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ゴムのブッシュを介してトレーを浮かせてありますので、振動や衝撃、床に付着する水分などからECMを守ることができます。端子部分にもサビがありましたので、きれいに磨いておきました。
まだまだ徹底的に整備を実施中ですので、また次回ご紹介します。

ELAN Sr.4 納車整備中

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先日もちょっとご紹介致しましたが、ウィザムカーズ・ファクトリーではエランSr.4の納車整備が進行中です。
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キャブレターのOHやラジエター等の冷却系の点検、ブレーキのマスターやレリーズなど、整備項目はかなり広範囲になります。もちろん足回りやドライブシャフト、ロトフレックスなど消耗ポイントもすべて点検です。
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さらに、前後バンパーやクロームのバンパーストリップなど、外装パーツの取り外しも進んでいます。ボディ全体のリペイントを実施するためです。
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ウインドウ・モールやウェザー・ストリップなど外装パーツもまだまだ入手可能ですから、すべて分解して塗装作業に入ります。まだまだ作業が継続していきますので、また詳しくご紹介したいと思います。
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SEVEN SPRINT トノカバー

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大人気のSEVEN SPRINTの納車が続いていますが、細部にわたってこだわりのディティール満載のスプリントは、モディファイのベースとしても、最高の素材ですね。今回はトノカバーの追加作業です。
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先日ご紹介したジネッタのトノカバーはワンオフ製作でしたが、ケータハムの場合は純正パーツもあります。しかし純正といっても簡単には取付できません。まずは慎重に仮置き・位置決めを繰り返します。
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固定トノカバーを固定するファスナーも事前に取付されている訳ではなく、すべて手作業で取付します。
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ファスナーの取付は、当然ボディ側にも必要です。全てやり直しはできない繊細な作業です。
セブンにとって、トノカバーはちょっとした駐車時にかなり役に立つおすすめのアイテムです。未装着のオーナー様は、ぜひご相談下さい。