2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.3

今回は前回に引き続き、2ZZエンジンのO/Hの内容を紹介させていただきます。
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上の画像は新品のオイルポンプアッセンブリです。今回は純正のオイルポンプをそのまま取付するのではなく、強化タイプのローターを組み込むので、まずはオイルポンプを分解していきます。
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こちらが純正のオイルポンプの内部です。トロコイド式という一般的なポンプで、インナーのローター(ギア状のパーツ)がアウターのローターを回転させることにより、オイルパンからオイルを吸い上げると同時に、エンジン内に圧送します。仕組みはロータリーエンジンと少し似ていますね。
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画像左側が今回組み付けていく強化タイプのローターです。形状はほぼ変わりませんが、純正と比べると色艶に少し差があるのがわかると思います。高回転時のクランクシャフトの振動で破損しないよう、素材を変更して強度が上がっています。
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続けてカムシャフトやバルブ周りの点検と、バルブクリアランスのチェックを行っていきます。走行距離が少ない車両のため、ヘッド周りは非常に綺麗な状態でした。
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ヘッドを組み付けたら、タイミングチェーンの取付を行い、その他の補機類と交換可能なガスケット、シール類を全て新品にして、ヘッドカバーを組み付けます。バルブタイミングとバルブリフトを制御している油圧ソレノイドの部分には、オイル中の細かいゴミを取り除くフィルターが付いていますので、そこもしっかり清掃していきます。
エンジンに関連する作業はほぼ完了しましたが、引き続きギアボックスの作業がありますので、またご紹介致しましょう。

2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.2

今回は前回に引き続き2ZZエンジンのO/Hを紹介させていただきます。
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前回焼き付いてしまっていたクランクシャフトのコンロッドメタル側です。ジャーナル部はラッピング加工で対応も可能でしたが、クランクにはこの他にもオイルポンプ破損の際のダメージなどもあったため、新品に交換させていただきました。
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クランクシャフトを新品に交換したので、当然ながらメインメタルも新品に交換します。 IMG_3035_R
クランクシャフトを組み付け、プラスチゲージにてクリアランスの測定をしていきます。メタルにはサイズが数種類用意されているので、クリアランスの測定値に応じてサイズを変更し、最適値に合わせていきます。
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メインメタル側が完了したら、次はコンロッド側も同じように調整していきます。こちらはメインメタルほど種類は多くないですが、調整毎にピストンを取り付けるため少々時間がかかります。 IMG_3040_R
全ての調整が完了したら、オイルストレーナなどの補機類を取り付けて、オイルパンを貼り合わせます。次回からはオイルポンプの交換とヘッドの組付けを紹介していこうと思います。

SEVEN 620R 足周りセッティング

初めまして。
ファクトリーメカニックの樋口と申します。
今年の4月から入社しました、以降よろしくお願い致します。
今日はCATERHAM SEVEN 620Rの足周りのセッティングをご紹介させていただきます。
SEVENシリーズの中でも飛び抜けてゴツく、パワフルな620Rですが、
英国から船に乗せて輸入する際、下回り等擦ったりしないように
車高が高めに設定されています。
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このままでも十分にスタイリッシュな620Rですが、
今回車高を落として、更にシャープなスタイルにしていきたいと思います。
工場出荷時の状態ですと、サスペンションのプリロードがかなり締め込んでいる状態で、ショックアブソーバーが伸びきってしまっています。
今回はスタンダードよりやや低めの車高にしていきます。
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写真はフロントの車高を調整するため、ホイールを外している状態です。
もちろん展示に向けて隅々までお掃除していますが、
ホイールを外した際に掃除できるところは出来る限りきれいにしていきます。
見た目の違いもありますが、汚れを落とすことで各部劣化の予防、また、故障の早期発見に繋がります。
リアの車高を調整していきます。
調整前
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調整後
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リアの写真2枚を比べて頂くと、いかにプリロードがかかっていたかわかりますね。
前後の車高調整が終わったら、次はアライメントを調整していきます。
まずはキャンバーを基準値に近づくよう調整していきます。
フロントのキャンバー調整はなかなか大変で、
フェンダーとボディの間での作業となりますので、
しっかりと養生をして、万全の注意をしながら作業してゆきます。
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キャンバーの調整が終わったら、トー角の調整に移ります。
こちらも基準値へと近づけていきます。
すべての作業が終了したら、各部チェックして作業完了となります。
現在SEVEN 620RはFACTORYで展示しておりますので、ぜひぜひ遊びににいらして下さい!
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2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.1

今回の投稿は、ロータス2イレブンのエンジンO/Hのご紹介です。エンジンは自然吸気の2zz-GEです。
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こちらの車両は、サーキットを走行中に突然エンジンから異音が発生したため、ウィザムカーズ・ファクトリーに入庫してきました。エンジンオイルを抜いて汚れをチェックしてみると、かなりの鉄粉が混じっていたため、すぐにエンジンを降ろして、内部も細かく点検することになりました。
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カムカバーと、タイミングチェーンカバーを外してみると、オイルポンプハウジングに大きなクラックが見つかりました。
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オイルポンプを分解してみたところ、ポンプ内部のアウターリングが破損して、ハウジングを割ってしまったようです。
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さらにオイルパンを外して、クランクメタルやコンロッドメタルも点検してみました。
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メタルを外して点検してみると、オイルポンプの破損によりオイルの供給が止まったため、完全に焼き付いてしまっていました。カチカチという異音は、メタルのとクランクシャフトのクリアランスが増えて発生したと考えられます。まだまだ広範囲の点検が必要になりそうですので、また次回に続きをご紹介致します。

エリーゼ Mk2 ラジエーター交換

今回は中古車のエリーゼの整備の一コマを紹介させていただきます。
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こちらのELISEは、ラジエータをアルミ2層のハイスペックなタイプに交換することになりました。作業はまずフロント・クラムシェルの取り外しから始まります。正面の大きな開口がラジエータ冷却のインテーク、その横にはオイルクーラーがみえますね。
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ラジエターホースなどを撤去したら、純正ラジエータを取り外していきます。エリーゼのラジエータは、フロント・クラッシュストラクチャーというシャシーと強固に連結された構造物に、ブッシュ等を介さず直接水平に固定されているのが特長です。ラジエーター・ハウジングを少し浮かせながら、慎重に取り外し作業をしていきます。
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右側が今回取り付けを行ったアルミ2層ラジエータです。左側の純正ラジエータは樹脂製サイドタンクがカシメで固定されているのに対し、コアだけでなくサイドタンクも全てアルミ製になっているため、信頼性が大幅に向上しています。
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エリーゼのラジエータは常に振動に晒されているので、走行距離によってはラジエターからの冷却水漏れが発生する場合があります。微量の漏れなので、突然エンジンが破損したり走行不能になる心配はほとんどありませんが、なるべく早めに対処しておきたいですね。 走行中にクーラントの匂いがしたり、フロント・ウィンドウに水滴がつく場合は、一度点検をしてみましょう。ぜひウィザムカーズファクトリーまでご相談ください。

ELISE-R ブレーキマスターシリンダー交換

今回はエリーゼのブレーキマスターシリンダーの交換を紹介させていただきます。
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最近は1zzや2zzなどトヨタ製エンジン世代のエリーゼの、ブレーキマスターシリンダーの交換作業が増えてきました。ブレーキマスターシリンダーが劣化してくると、ブレーキペダルを踏み込んでもキャリパーに油圧が伝わりにくくなり、ブレーキの効きが曖昧になってきます。しかしこの症状は徐々に進行していくので、オーナー様はなかなか気がつかず、他のエリーゼと乗り比べて初めて「あれっ」と感じることが多いようです。
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上が新品のマスターシリンダー、下が取り外したマスターシリンダーです(色の違いは部品の供給時期による差です)。シリンダー内部のOリングなどのシーリングが劣化し、油圧が逃げてしまうことが、ブレーキ性能が低下することの原因です。
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同様の症状でもエキシージの場合は交換の際にフロントクラムシェルの脱着が必須ですが、エリーゼはフロントアクセスパネルを取り外すだけで交換作業が可能です。
トヨタエンジン世代のエリーゼ、エキシージでも、10年以上経過してきている車両が多くなってきています。マスターシリンダーの劣化は、走行距離ではなく年数や使用状況によって状態が様々ですので、ブレーキの踏み応えやペダルのストローク量などに違和感を感じている方は、早めの点検・交換をおすすめします。

ロータスツインカム エンジンO/H Part2

以前紹介したLOTUS T/Cのオーバーホール作業の続きをご紹介します。今回は、そもそも作業を開始する理由となった、ジャックシャフトの交換作業を紹介させていただきます。
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上の画像のスプロケットがついている部分に、ジャックシャフトが挿入されています。
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スプロケットを外してシャフトを抜き出します。中央に見えているのが、欠けてしまったギア部分です。
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下が取外したシャフト、上が今回取り付けるシャフトです。OHVからDOHCに動弁機構が変更されているため、このカムシャフトにはバルブを開閉させる役目は無く、デスビやオイルポンプを駆動させるためだけに存在しています。ですので新しいシャフトでは、フリクションロスを減らすため必要のない部分は切断してあります。さらに徹底させて、シャフトにあるカム山も削り落としてしまう場合もありますが、今回はカム山の加工までは行っていません。
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シャフトのメタルも新品に打ち替えて取り付けました。スラスト方向のクリアランスの測定を行い、問題がないようなのでスプロケットも取り付けます。
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ジャックシャフトを駆動しているスプロケットにも歪みがあり、クランクシャフトのスプロケットとの位置関係が大きくずれてしまっていたので、念のため新品に交換しました。
このエンジンの作業はまだ継続中ですので、次回ドライサンプ用のオイルポンプの点検作業と、ウォーターポンプの交換を紹介したいと思います。

ロータスエラン Sr.2 クランクシャフト・オイルシール交換 Part1

今回はロータスエラン Sr.2のクランクシャフトシール交換作業を紹介させていただきます。
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エランの排気管は、同じエンジンが積まれていた同世代のセブンやジネッタとは違い、エンジンの下をエキマニと中間パイプが通過するレイアウトになっています。そのためオイル漏れが発生すると排気管にオイルが付着してしまうので、白煙が出たり、ひどい場合には車両火災の原因となってしまいます。
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この車両も排気管にオイルが付着して焼き付いています。このままだと危険ですので、オイル漏れの原因であるクランクシールの交換を行います。
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早速エンジンを降ろしていきます。エンジンフードを取り外せば開口も大きく作業性は良好そうに見えますが、エキマニ等の取り外しは、エンジンをクレーンで吊りながら行わなくてはいけないため、なかなか大変です。
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降ろしたエンジンのリアクランクオイルシール部です。オイルパンにかなりの量のオイルが垂れてきています。
次回はオイルシールの交換作業を、詳しく紹介していこうと思います。

SEVEN 1600GTS リアAアームブッシュ交換

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今回はSEVEN 1600GTSのリアAアームブッシュの交換を、紹介させて頂きます。
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こちらの車両は、走行中のデファレンシャル付近からの異音が気になるということでのご入庫でした。
リアサスペンションはライブアクスルのタイプで、中央のデフケース直下に、ホーシングとAア-ムの連結部分があります。Aアームはホーシングの左右位置を固定しています。リアサスが上下にストロークすると、連結部分のゴムブッシュにねじれが生じるため、消耗が早く進行するポイントです。
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加速やブレーキング時にカツカツとやや大きめの金属音が聞こえましたので、早速点検してみると、Aアームのブッシュが完全に摩耗してしまい、アームとアクスルの間に大きな隙間ができていました。こうなるとブッシュの交換が必要です。
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上のカラーだけ残っているのが取り外したブッシュ、下が新品です。
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新品を組付けて再度異音チェックを行います。
CLASSICなどライブアクスルタイプのリアサスは、デフがシャシーに固定されているド・ティオンタイプよりも、Aアームのブッシュにかかる負荷が大きいので、定期的な点検、交換をおすすめしております。リアサスペンションのかなめの部分でもありますので、ブッシュを新品に打ち換えることで、しなやかな乗り味を取り戻すことができます。気になった方はぜひウィザムカーズファクトリーまでご相談ください。

ELISE Mk1の消耗部品交換

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車検でご入庫中だったMk1世代のエリーゼですが、今回も消耗部品の交換作業が何点か発生しました。この世代のエリーゼはデビューから20年になりますので、2巡目3巡目の部品交換も必要になってきています。いくつかご紹介しましょう。
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まずはタイミングベルトです。エリーゼはミッドシップというレイアウトのため、エンジンルーム内の温度が上がりやすい傾向にあります。そのためタイミングベルトは早めの交換をおすすめしております。エンジン自体の脱着は必要ありませんので、そんなに大掛かりな作業にはなりません。オルタネータのドライブベルトや、エンジンマウントの同時交換もおすすめです。
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左側の細長いゴムはサイレンサーマウントです。やはり熱に晒されやすい場所なので、どうしても劣化が早く、今回も写真のように亀裂が発生していました。
右側の丸いゴムは、クラッチのレリーズ・シリンダの補修部品です。Mk1世代のエリーゼは、夏の暑い時期になると、ギアが入り難くなる場合があります。原因の一つが、クラッチのマスターシリンダやレリーズシリンダの劣化です。定期的なオーバーホールで予防することが可能です。
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こちらはリアサスのトーリンクロッドのボールジョイントです。ゴム製のダストカバーに亀裂が発生し、グリスが漏れてしまっていました。スムーズに動かない状態でしたので、すべて交換です。
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こちらはエアクリーナーボックスに外気を導入するためのホースです。劣化しやすい部品のひとつです。今回はゴム・樹脂系の部品が多くなりましたが、IACバルブや水温センサーなど、電気系にもいくつか消耗ポイントがありますので、またご紹介したいと思います。
エリーゼまだまだ部品の供給は大丈夫ですので、しっかりメンテナンスをしてエリーゼの軽快な走りをじっくり体感して頂きたいですね。