今回はケータハム セブン スプリントのトノカバー取付作業のご紹介です。
一見簡単に見えるトノカバーの取り付けですが、実際には失敗が許されない、経験とノウハウがモノを言う作業なんです。

ケータハム純正トノカバーは、出荷状態ではボタンが付いておらず、穴もあいておりません。車体側にはフロントに2コ、リア側に6コのボタンが標準で取り付けられてはいるのですが、サイドはボタン取付用の穴をドリルで開ける必要があります。

しかし、メーカーから位置決めのテンプレートが用意されているわけではありません。パネルの裏側にはフレームを構成する丸パイプや角パイプが通っていますから、下手をするとフレームにキズをつけてしまいます。入念に位置決めを行い、慎重にドリリングしますが、何度やっても緊張する瞬間です。

もちろんトノカバーにも穴を開けるための目印などはありません。大雑把にボタン穴を開ければ、トノカバーをかけた時にたるんでシワになったり、逆にきつ過ぎて取り付けられないことになってしまいます。さらに夏と冬で生地の伸びも違いますから、その加減を考えながら取り付けています。
キットカーという成り立ち故に「自分で作業してみようかな」方もいらっしゃると思いますが、単純そうな作業にも実はノウハウが詰まっています。
ウィザムカーズならばプロショップならではのクォリティで仕上げます。新旧問わずセブンことならばまずウィザムカーズまでご相談下さい。
ケーターハム GirlingブレーキキャリパーO/H
今回はケーターハムのGirling製フロントブレーキキャリパーのオーバーホールを紹介させていただきます。

ケーターハムのフロントブレーキとして長い間採用されてきたキャリパーで、比較的最近までスタンダードはこちらでした。今回はブレーキの引きずりが見られ、少しピストンを押し出してみると、ピストンに錆が浮いていたためオーバーホールさせていただきました。

しばらくオーバーホールしていないように見受けられましたので、半分に割って徹底的に作業を行います。

中を確認してみると、ピストンのシールより上の部分がほとんどサビて腐食してしまっていました。

ピストン側にもサビの部分と擦れた跡が見られます。こうなってしまうと正常な動作は見込めません…ピストンはペーパーを当てて、サビとキズを落とし、異常な摩耗や、メッキの剥がれなどが無いかチェックしていきます。

今回は外側にウェットブラストを施工しました。ピカピカになってまるで新品のようですが、1枚目の画像のキャリパーと同じものです。目立たないとパーツですが、綺麗になっていれば気持ちが良いものですし、不具合の早期発見にもつながります。

キャリパー側もきれいになったところで、機能上問題となるようなキズなどが無いことを確認したら新品のシールを組み付けて、慎重にピストンを挿入します。
ブレーキキャリパーのオーバーホールを行うと、ブレーキのタッチの改善や引きずりによる抵抗がなくなり、安心してアクセルを踏むことが出来ます。安全に直結するパーツですから、定期的な点検をぜひともお勧めいたします。なんとなくブレーキタッチに違和感を感じると言う方も、まずはご相談くださいね。
GINETTA G4 レース前点検
現在、12/3に行われる「SIDEWAY TROPHY」参戦車両のGinetta G4のメンテナンスが進行中。SIDEWAY TROPHYは「当時のモーターレースを再現する」というコンセプトで行われるヒストリックカーレースです。
こちらのG4は先月エンジンO/Hを終え、慣らしが終わったばかりの状態です。慣らし後、初のサーキットとなる為、エンジン周りも含めて念入りに点検していきます。

サーキットにおける車体への負荷は想像を超えるものです。レース前点検・整備では足回り・ブレーキまわりは神経質なほど入念に。今回はブレーキキャリパーのオーバーホールも行いました。

日本のレースではSタイヤが主流ですが、英国におけるFIAのヒストリックカーレースではダンロップ レーシングタイヤ(バイアス)の使用が常識です。SIDEWAY TOROPHYでは本場英国にならい、ダンロップレーシングタイヤの装着が義務付けられているため、G4もダンロップ CR65に交換して望みます。Witham Carsではこのような入手しにくいタイヤも扱っておりますので、ご相談下さい。

SIDEWAY TROPHYまであと3日。レースに集中していただけるよう、万全の状態に仕上げたいと思います。
ELISE 2ZR サクラムマフラー取り付け
今回はエリーゼMk3、2ZRエンジン用のサクラム製マフラーの取り付け作業を紹介させていただきます。

純正マフラーは消音効果は抜群ではあるものの、スポーツカーとしては少々物足りなさを感じる方も多いのでは無いでしょうか。それゆえ本体も大きめで、単体で16kgという重さです。

取り外して並べてみました。上が純正、下がサクラム。ポリッシュ仕上げのステンレスや職人技を感じさせる溶接など、取り付けると隠れてしまうのがもったいないほどの美しさです。サイズは純正よりもひと回り小さくなり、純正比-5kgの軽量化となります。オーバーハングよりも先にあるパーツの軽量化は、運動性能の向上にも非常に有効です。

取り付け後です。テールピースはプレス加工後にマシニングセンターで切削するという手間をかけているそうで、非常に美しい仕上がりです。ディフューザーの下から覗くテールピースがさり気なく主張します。
アイドリングでは極めてジェントルであり、街乗りで常用する回転域は音量が抑えられていますが、アクセルを踏み込んでいくほどにサウンドが変化していきます。特に4,000回転を超えてからのサウンドは官能的で、トンネルに入るとついついアクセルを踏みすぎてしまいそうになります。エリーゼでのドライブをよりいっそう愉しいものにしてくれるパーツですよ。
もちろん車検対応なのも嬉しいポイントですね。ELISEの給排気系のモディファイをご検討の方は、Witham Cars Factoryにご相談下さい。
ELISE C60トランスミッションオーバーホール
今回はエリーゼのトランスミッションのオーバーホール作業の紹介をさせていただきます。

こちらの車両はサーキット走行中に2速が使用できなくなる状況となり、ご入庫いただきました。

ギアボックスを車両から降ろしたら、早速分解していきます。C60トランスミッションは20年も前のMTがベースになっていますので、簡単には分解できません。まずは5速6速が入っている1段目を取り外します。

さらに2段目を分解中。この段階までくると、ミッションをオーバーホールしているという感じが出てきますね。

完全にバラバラになりました。ギア、ハブはシャフトに圧入されているので、分解は慎重にすすめます。

早速2速のハブ、スリーブの点検を行います。左が今回取り外したパーツ、右が新品のパーツです。見比べるとわかりますが、ハブは2段目の山が崩れています。スリーブも内側の山が削れてしまっています。ギアが入らなくなってしまう原因の殆どが、この部分の摩耗によるものです。今回は2速と同様に摩耗の酷かった3速のハブ、スリーブの交換も実施しました。
交換作業後はスムーズな変速動作が復活し、安心してサーキットも楽しめるようになりました。2速3速は特に負荷が掛かり、酷使されやすい部分です。シフトフィールが気になる方は、思い切ってオーバーホールはいかがでしょうか。
ローバーKエンジンのオーバーホール-1
今回ご紹介する作業は、エリーゼMk1のエンジンからの異音発生の修理です。

お客様からエンジンから異音がし始めたので点検してほしいというご相談があり、ご入庫頂きました。まずはヘッドを疑ったのですが、このお客様のエンジンは、タペットを油圧式からメカシムに変更してあるため、バルブクリアランスを計測してみましたが、特に問題はありませんでした。さらに広範囲に点検をするため、エンジンを分解することになりました。

お客様からのお話では、オイルのチェックランプが点灯すると同時に異音が始まったので、付近のガソリンスタンドでエンジンオイルを補充したところ、チェックランプは消えたのですが、異音は継続していたそうです。
クランクシャフトのメタルなど、エンジン内部には異音の発生源となるポイントが幾つかありますので、分解して細部まで点検した結果、やはりビッグエンドメタルのうち2番のメタルが、画像の様に摩耗していることが判明しました。一般道を走行中に発生し、すぐにオイルを補充したので最小限のダメージですみましたが、状況や走り方によっては、あやうくクランクシャフトやコンロッドまでも交換になってしまうところでしたね。

手前が新しいビッグエンドメタルです。クランクシャフト自体は、ラッピング加工をすれば継続して使用できます。しっかりクリアランスを計測し、同時にシリンダーの変形の計測なども行い、正確に組み立てていきます。これでまた安心してロータスライフを楽しめますね。
2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.3
今回は前回に引き続き、2ZZエンジンのO/Hの内容を紹介させていただきます。

上の画像は新品のオイルポンプアッセンブリです。今回は純正のオイルポンプをそのまま取付するのではなく、強化タイプのローターを組み込むので、まずはオイルポンプを分解していきます。

こちらが純正のオイルポンプの内部です。トロコイド式という一般的なポンプで、インナーのローター(ギア状のパーツ)がアウターのローターを回転させることにより、オイルパンからオイルを吸い上げると同時に、エンジン内に圧送します。仕組みはロータリーエンジンと少し似ていますね。

画像左側が今回組み付けていく強化タイプのローターです。形状はほぼ変わりませんが、純正と比べると色艶に少し差があるのがわかると思います。高回転時のクランクシャフトの振動で破損しないよう、素材を変更して強度が上がっています。

続けてカムシャフトやバルブ周りの点検と、バルブクリアランスのチェックを行っていきます。走行距離が少ない車両のため、ヘッド周りは非常に綺麗な状態でした。

ヘッドを組み付けたら、タイミングチェーンの取付を行い、その他の補機類と交換可能なガスケット、シール類を全て新品にして、ヘッドカバーを組み付けます。バルブタイミングとバルブリフトを制御している油圧ソレノイドの部分には、オイル中の細かいゴミを取り除くフィルターが付いていますので、そこもしっかり清掃していきます。
エンジンに関連する作業はほぼ完了しましたが、引き続きギアボックスの作業がありますので、またご紹介致しましょう。
2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.2
今回は前回に引き続き2ZZエンジンのO/Hを紹介させていただきます。

前回焼き付いてしまっていたクランクシャフトのコンロッドメタル側です。ジャーナル部はラッピング加工で対応も可能でしたが、クランクにはこの他にもオイルポンプ破損の際のダメージなどもあったため、新品に交換させていただきました。

クランクシャフトを新品に交換したので、当然ながらメインメタルも新品に交換します。 
クランクシャフトを組み付け、プラスチゲージにてクリアランスの測定をしていきます。メタルにはサイズが数種類用意されているので、クリアランスの測定値に応じてサイズを変更し、最適値に合わせていきます。

メインメタル側が完了したら、次はコンロッド側も同じように調整していきます。こちらはメインメタルほど種類は多くないですが、調整毎にピストンを取り付けるため少々時間がかかります。 
全ての調整が完了したら、オイルストレーナなどの補機類を取り付けて、オイルパンを貼り合わせます。次回からはオイルポンプの交換とヘッドの組付けを紹介していこうと思います。
2-ELEVEN エンジンオーバーホール Part.1
今回の投稿は、ロータス2イレブンのエンジンO/Hのご紹介です。エンジンは自然吸気の2zz-GEです。

こちらの車両は、サーキットを走行中に突然エンジンから異音が発生したため、ウィザムカーズ・ファクトリーに入庫してきました。エンジンオイルを抜いて汚れをチェックしてみると、かなりの鉄粉が混じっていたため、すぐにエンジンを降ろして、内部も細かく点検することになりました。

カムカバーと、タイミングチェーンカバーを外してみると、オイルポンプハウジングに大きなクラックが見つかりました。

オイルポンプを分解してみたところ、ポンプ内部のアウターリングが破損して、ハウジングを割ってしまったようです。

さらにオイルパンを外して、クランクメタルやコンロッドメタルも点検してみました。

メタルを外して点検してみると、オイルポンプの破損によりオイルの供給が止まったため、完全に焼き付いてしまっていました。カチカチという異音は、メタルのとクランクシャフトのクリアランスが増えて発生したと考えられます。まだまだ広範囲の点検が必要になりそうですので、また次回に続きをご紹介致します。
エリーゼ Mk2 ラジエーター交換
今回は中古車のエリーゼの整備の一コマを紹介させていただきます。

こちらのELISEは、ラジエータをアルミ2層のハイスペックなタイプに交換することになりました。作業はまずフロント・クラムシェルの取り外しから始まります。正面の大きな開口がラジエータ冷却のインテーク、その横にはオイルクーラーがみえますね。

ラジエターホースなどを撤去したら、純正ラジエータを取り外していきます。エリーゼのラジエータは、フロント・クラッシュストラクチャーというシャシーと強固に連結された構造物に、ブッシュ等を介さず直接水平に固定されているのが特長です。ラジエーター・ハウジングを少し浮かせながら、慎重に取り外し作業をしていきます。

右側が今回取り付けを行ったアルミ2層ラジエータです。左側の純正ラジエータは樹脂製サイドタンクがカシメで固定されているのに対し、コアだけでなくサイドタンクも全てアルミ製になっているため、信頼性が大幅に向上しています。

エリーゼのラジエータは常に振動に晒されているので、走行距離によってはラジエターからの冷却水漏れが発生する場合があります。微量の漏れなので、突然エンジンが破損したり走行不能になる心配はほとんどありませんが、なるべく早めに対処しておきたいですね。 走行中にクーラントの匂いがしたり、フロント・ウィンドウに水滴がつく場合は、一度点検をしてみましょう。ぜひウィザムカーズファクトリーまでご相談ください。