「ロータスだからMT」だけではない。

久しぶりに、ATのEXIGEが入ってきました。

今回入荷したのは、2015年式のLOTUS EXIGE S。

エクステリアカラーにはアスペンホワイトを纏い、3.5L V6スーパーチャージャーを搭載したモデルです。

今回のEXIGEで少し珍しいのが、6速AT。そして、さらに珍しいクーペボディであることです。

 

 

ロータスといえば、やはりMT。

特にEXIGEとなると、「MTじゃないとね……」という声も多いと思います。

私自身もMT好きなので、MTに惹かれる気持ちはよく分かります。

ただ、今回この車を改めて見ていて思ったのが、

 

「ロータスって、そもそもこういうちょっと変わったことを、昔からやるメーカーだったよな」

ということでした。

意外とロータスには、「こうでなければならない」という固定観念がありません。

ロータスというと、一般的には「軽量・シンプル・MT」というイメージが強いです。

もちろん、それはロータスを語るうえで欠かせない部分です。

ただ、軽さを追求する一方で、必要と判断すればV6エンジンを載せる。

このATも速さと楽しさを両立させた、ロータスのもう一つの回答だと思います。

そして、採用するからには、ロータスの車として成立するところまでエンジニアリングを詰めていく。

 

そう考えると、ロータスは「昔ながらの英国スポーツカー」というより、優秀なエンジニアたちが、車をどうすればもっと面白くできるのかを考え続けてきたメーカーなのだと思います。

よく「昔に比べて重くなった」という声もありますが、これも決して意味のない重量化ではないです。
V6エンジンを載せ、ボディ剛性や安全性、なにより走行性能の進化を追求しての結果としての重量増です。

しかし、私個人のロータスに対する思い入れ補正を抜きにしても、ロータスはどのモデルを走らせても、本当に楽しい…そこが、ロータスというメーカーの面白さなのだと思います。

 

 

「ロータスだからMT」だけではない。

今回のEXIGE Sに搭載される6速ATも、そんなロータスらしさの延長にあるかと思います。

このATは、先にEVORA IPSに採用されていたトルクコンバーター式6速ATをベースとしています。

そして2015年、V6 EXIGE SにもこのATが設定されました。

ここだけ聞くと、

「エヴォーラと同じATを載せたの?」

と思うかもしれませんが、実際にはそう単純な話ではないようです。

EVORAで磨き上げた制御をEXIGEのキャラクターに合わせて進化させています。

パドルシフトによるマニュアル操作にも対応し、シフトチェンジの時間はわずかコンマ24秒。

トルクコンバーター式のATでありながら、スポーツカーとしての走りをしっかり意識した制御が与えられています。

 

 

 

つまり、

「ATを付けたEXIGE S」ではなく、「EXIGE SにATをどう合わせるか」をロータスなりに考えた。

そう見ると、この車が少し違って見えてきますよね。

そして何より面白いのが、

3.5L V6スーパーチャージャー × ミッドシップ × 6速AT

という組み合わせです。

最高出力350ps、最大トルク400Nm。

約1,190kgのボディに350psのV6を搭載し、それを6速ATで走らせる。

いま改めて考えても、なかなか思い切った組み合わせですね。

 

そして、やるからにはロータスのスポーツカーとして成立させる。

そんなロータスのエンジニアリングの姿勢が、EXIGE ATには感じられます。

実際にMTよりも滑らかかつ速く、効率的に走らせることができます。

もちろん、MTにはMTの魅力があります。

それはそれとして、今回のAT仕様には、MTとはまた違った面白さがあります。

「EXIGEならMT」という先入観を少し横に置いて見てみると、

「V6 EXIGEに6速ATというのも、なかなか面白いじゃないか」

と思えてきます。

今回、久しぶりにATのEXIGEが入ってきたことで、改めてそんなことを感じました。

2ペダルだからこそ、シフト操作に気を取られず、ステアリングやブレーキ、クルマの動きに集中できる。

そして、断然スマートにも走れる。

「そろそろ2ペダルのスポーツカーもいいかな」

そんな方にも、ぜひ一度乗っていただきたい一台です。


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